未来の教員を目指す学生と関わって3部⑥

この連載の第1シリーズとして、発達障害を中心とした【学級・学校に適応することが難しい子どもとの係り】について、また第2シリ

ーズとして【学力差がある集団への係り】について、教員を目指す彼らが抱えている不安について考えてきました。

今シリーズでは、【一見仲良さそうに見えるなれあい集団内部への係り】について、考えていきます。

 

子どもたちは、活発に楽しそうににぎやかに活動しています。

しかし、このグループ内では、外から伺えられない『人間関係のトラブル』が生じていることがよくあります。

 

今回は、前回に続き、その対応策について考えていきましょう。

この原因としては、『一人または特定の子どもに対する依存』が、学級内において高くなっていることが、考えられます。

そこで、『好きな子どうし』の問題点について、前回お話しました。

一つ目は、『好きな子どうし=同一の興味・関心でつながっている関係』ととらえ、子どもたちに異なる世界へ目を向けさせたいから、

『好きな子どうし』は避けたいと説明しました。

そして、もう一つの理由が、今の内容に関係することです。

先日も、私の授業を受講している女子大学生が、授業後の振り返りで、「一人でいることに平気になったのは、高校受験の頃からだと思

う。それまでは、絶えず小グループの中で、そこから外されないように、気を遣って生きていた。そんなに中心にいる子のことを好きで

もなかったし、今ではそのグループの子と会うこともない。今ならば、あの頃の私に、『大丈夫だよ。我慢しなくていいよ』と言ってあ

げたい。」と、書いてありました。

この思いを、次の授業で紹介したところ、多くの「私もそうだった」という賛同がありました。

10数年前の少女と同じように、今も同じ悩みを抱えている子どもはたくさんいるのではないでしょうか。

その対応策として、以下のように考えます。

原則【子どもたちの日頃の私的な交友関係と異なる、公的な交友関係を学校内でつくる】

なぜでしょうか。

子どもたちは、自分が所属しているグループが絶対と思っています。

そして、他に所属するグループがないと思っています。信じています?あきらめています?

そこで、学級内に私的なグループとは異なる公のグループをつくったらどうでしょうか。

そして、そこで活動する時間が多くなり、またそのグループが魅力的だったらどうでしょうか。

相対的に、私的なグループで活動する場面が少なくなってくるのではないでしょうか。

その結果、私的なグループへの呪縛が減少すると考えています。

抽象論になってしまったので、具体的には次回。

 

 

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