未来の教員を目指す学生と関わって2部⑤
さて、①シリーズでは発達障害を中心として、【学級・学校に適応することが難しい子どもとの係り】について考えてきました。
②シリーズでは、【学力差がある集団への係り】について、教員を目指す彼らが抱えている不安について考えています。
『現在の学校現場は、とりわけ公立学校はとても多様化しています』と、①のシリーズの冒頭でお話しました。
この【多様化】は、②シリーズでも大きな課題となっています。
おそらくベテランの先生は、『2と3のレベルの中間層に焦点を当てて』と、アドバイスをされると思います。
長年の経験からの教えは、あながち間違っていないと考えます。
ただし、このことだけでは、積み残していく子ども、退屈する子どもが現れてきます。
①退屈してしまう子どもに対して(以前のブログ参照)
②取り残されてしまう子どもに対して
さまざまなケースが想像されますが、ここでは【学習性無力感】に焦点を当てて考えています。
よく話題になっている例のヤンキー君は、もちろん?勉強が苦手だしたが、そんな彼が今までよりは良いテスト結果を得たときのうれし
そうな表情は、今でも覚えています。
誰でも分かることはうれしいのです。
では、くどいようですが、『できるからやる』の初めの一歩となる『できる』について考えてみましょう。
それは、本当にささやかな一歩でかまわないのです。
勉強と関係ない『係や当番活動での誠実な態度』であろうとも、困っている級友への支援や優しい態度であろうとも、珍しくきちんと提
出した課題であろうとも‥‥何でも構いません。
他の子どもとの比較ではありません。
その子が、今までよりも一生懸命に取り組んだことに価値を見出して、『できる』と評価することが大切なのです。
そうした『できる』という評価に勇気づけられて、子どもが次のステージへと自分の意思で上っていくことが『できるからやる』の具現
化と考えます。
最終的には、子ども自身が行動するわけですが、その初めのきっかけを提示することは、大人が行えばいいのではないでしょうか。
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