未来の教員を目指す学生と関わって2部④

さて、①シリーズでは発達障害を中心として、【学級・学校に適応することが難しい子どもとの係り】について考えてきました。

②シリーズでは、【学力差がある集団への係り】について、教員を目指す彼らが抱えている不安について考えています。

『現在の学校現場は、とりわけ公立学校はとても多様化しています』と、①のシリーズの冒頭でお話しました。

この【多様化】は、②シリーズでも大きな課題となっています。

 

おそらくベテランの先生は、『2と3のレベルの中間層に焦点を当てて』と、アドバイスをされると思います。

長年の経験からの教えは、あながち間違っていないと考えます。

ただし、このことだけでは、積み残していく子ども、退屈する子どもが現れてきます。

①退屈してしまう子どもに対して(以前のブログ参照)

②取り残されてしまう子どもに対して

【学習性無力感】に焦点を当てて考えています。

これは、「一生懸命に取り組んてみたが、良い結果を得ることができなかった。すると、人は『私は、どうせ何をやってもダメだ』と思

ってしまい、他の場面でも頑張ろうという気持ちにならない」ということです。

今までは、もっぱら「やればできる」という考え方が浸透していたと考えます。

もちろん、自分が考えた目標へ向かって努力することは素晴らしいことで、『頑張って鉄棒の逆上がりに成功した』といったケースもあ

ります。

しかし、九九が苦手な中学3年生が二次関数を理解することはなかなかに困難と考えます。

そこで、『できるからやる』という考え方をしてみませんか?

『自分はどうせできない』と考えている子どもに、どんな些細な小さなことでもかまわないので、成功体験をさせてみましょう。

その小さな成功体験によって、少しずつ『自己肯定感』を高めていきましょう。

それを強力にサポートするために、難易度別の問題で構成されているプリントや、授業後の個別指導など、具体的な取り組みを考えてい

きましょう。

よくお話するヤンキーくんを思い出しても、日ごろは全く勉強に関心がないようなフリをしていますが、偶然良い点数をとったときの嬉

しそうな笑顔はとてもよいものでした。

誰でも分かることはうれしいのです。

初めの一歩となる、『できる』を検討してみましょう。

 

 

 

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