家庭志向の裏にあるものは?
昨日、今の子どもは家庭志向が強いとお話しました。家族を大切に思い、大事にすることは決して悪いことではなく、むしろ(親思いの子どもたち)と、好感をもって取り上げられるかと思います。
しかし、長く教員として、またスクールカウンセラーとして子どもたちと接してきた者としては、(なぜだろう)とその理由を考えてしまいます。
例えば、以前から小学校で先生たちが悩んでいた問題として、家庭内と学校内で生活態度が豹変する子どもの存在があります。
学校内で、彼らは塾で学習済みなので、教室の授業がつまらなく感じてしまう。そのため、周囲の子どもにちょっかいを出す。もちろん、相手も黙っていない。その騒ぎが、一ヶ所から教室全体に広まり……授業が成立しなくなるといった問題です。
もちろん、(子どもは、そんなもの。そうした子どもも含めて、何とかしていくのが教員の仕事)との指摘には一理あると同意します。確かに、ずっと昔からそんな子どもはいました。
しかし、そうした昔の子どもと今の子どもは、家庭内での態度に大きな違いがあると考えます。そして、それが問題を複雑にしているのではないかと、考えています。
昔の暴れん坊は、学校でも家庭でも暴れん坊でした。
ですから、教員が授業中の子どもの様子を保護者に説明すると、保護者の状況への理解も早く、今後の指導へのコンセンサスを得ることが難しくありませんでした。
しかし、残念なことに、現在はコンセンサスを得るまでに時間がかかります。
それは、なぜでしょうか。