子どもたちの置かれている状況 3

例えば、大きな問題となっている「不登校」について考えてみましょう。

今でこそ「学校へ行かないことも一つの選択」と社会的に容認されることになってきましたが、つい最近まで「学校へ行くのが当たり前」「学校へ行かないなんていうことがあってはならない」と考えられていたので、当該の子どもや保護者にとっては、大変生きづらい時代でした。そのころ縁あって、不登校の子どもたちの適応教室に勤務することになりました。それまで「普通」の中学校教師であった私自身の不登校についての体験・知識は、非常に浅薄なものでした。しかし、赴任すると驚くことばかりでした。

みなさんは、「不登校」の原因・理由は何だとお考えですか?私自身、よくマスコミで報道されているように「いじめによる不登校」という図式を描いていましたが、インテーク(受理面接)を行う立場となり、年に150件ほどの子どもや保護者と接してみると、事態はそれほどシンプルなものではありませんでした。もちろん、「いじめや嫌がらせ」による不登校はあります。しかし、それとてもその背後には、「AくんとBくんとの問題」と要約できるようなものばかりではありませんでした。そこには、社会自体のさまざまな問題が投影されていました。まさしく、「学校は社会の縮図」だったのです。

この話題を(個人情報に配慮して)、考えたいと思います。