子どもたちの置かれている状況 2

はるか昔、私が中学校教師として担任をしていた頃は「校内暴力」と言われる時代でした。(みなさん、分かりますか?古いですが、金八先生の時代でしょうか?)帰宅するころになると、本当に心底疲れ切っていましたが、多くの子どもたちが何を考え、何を不満に思っているかは今よりは分かりやすかったと思います。あの頃の子どもたちは学校や教員や保護者や社会に対して、すなわち「」へ向かって自分の怒りのナイフを向けていたのではないでしょうか。そのナイフに当たり、周囲の大人や子ども自身が傷つくことはありました。

しかし、その体験はすべてがマイナスではなく、教員ならばその後の子どもとの関わり方の支えにもなりました。

しかし、今はどうでしょうか。先日お話した「チャム世代」に限らず、今の子どもたちの抱えている不満や考えていることは、なかなか表面には表れてきません。もちろん、今の子どもたちに悩みがないわけではありません。むしろ、時代の抱る閉塞感から昔の子どもよりも、同調圧力など感じているプレッシャーは大きくなっていると感じます。(少なくとも、昔はクラス内カーストなどという言葉はありませんでした。もちろん、クラス内で人気のある子、モテる子はいたと思います。しかし、圧倒的多数はその他大勢だったのです。)

そんな時代では、子どものもつ怒りのナイフはどこへ向かうのでしょうか。

それは、「」へ向かっていくのではないでしょうか。

言わば、「心の自傷行為」とでもいえるでしょうか。

その結果、子どもたちに見られる現象について、明日考えていきましょう。