何ができるだろう③韓流は不登校に効く?③

事例1 不登校の小学4年生の男子

彼は、小学校2年生の後半から、学校を休み始めました。

保護者から(私が当時勤務していた)適応指導教室への通所依頼があり、彼は通い始めましたが、他の子どもたちとほとんど話すことが

できず、大人である相談員と一緒に昼食をとったり、バドミントンをしたりしていました。

しかし、半年が過ぎたあたりから、少し様子が違ってきました。

相談員とバドミントンをするということは、変わりませんでしたが、昼食は同じ学年の子たちと一緒に食べるようになっていました。

彼の心境にどんな変化があったのでしょうか?

 

何が、彼に影響を与えたのでしょうか。

それは、彼を中心として動いていた母親に生じた変化と関係があるのではないでしょうか。

すなわち、今まで100%息子へ向かっていた関心が、韓流という別の方向へ向かったことと関係があると考えます。

なぜ母親の変化が、彼に他の子どもたちと一緒に食事ができるという変化につながったのでしょうか。

私はこのように考えました。(妄想)

母親は彼に愛情をいっぱい注いで、育ててきました。

彼としては、そんな母親のことを信頼し、全ての価値判断を頼ってきました。(逆の見方をすれば、自分で意思決定をすることができて

いませんでした)

そんな彼が、何らかのきっかけで、学校を休みがちになったときに、母親は大変心配しました。

その心配は、彼にも十分伝わってきたと思います。

自分のことを心配してくれる母親に対して、信頼とともに煩わしさ等も生じ、複雑な感情が生まれていたと思います。

残念ながら、今まで自分で物事を決めてこなかった彼にとっては、そうした複雑な気持ちが手に余ったと思います。

とは言うものの、母親のシェルターの中で、表面上は安穏と生活していましたが‥

しかし、母親に彼以外の関心事が生じました。

今までの、母親に守られた世界にほころびが生じました。

自分で、価値判断をすることが生じてきました。

彼にとっては、母親頼みではすまない面倒なことに立ち向かわなければなりません。

うっとうしさを感じたかもしれませんが、母親の束縛から自由になり、息がつけられるようになったという安堵感も感じたのではないで

しょうか。

その安堵感が、「他の子たちと一緒に食事する」という、新しい行動様式へと彼を導いたのではないでしょうか。

もちろん、私の推測ですが、その前後の彼の行動や表情から判断すると、あながち的外れとも思われません。

 

 

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