何ができるだろう①配慮を要する子編-8

2 【周囲と上手に付き合えないBくん】(詳細は改編)

プロフィール

Bくんは、中学2年生。母親と二人暮らし。

保育園児の頃より、友達と遊ぶときにトラブルを生じやすく、母親は疲れていた。

Bくんはわがままを言い、迷惑をかけているという気持ちはないが、友人や先生に声をかけるタイミングが悪かったり、誤解される言動

が多かったりするため、『トラブルメーカー』と思われている。

母親は、Bくんの『母親思いの優しい子』であるという面など、Bくんの良さを周囲にも理解してもらいたいと願っている。

そこで、中学校の相談室を訪れることとなった。

Bくんの優しさや良さを、周囲に分かってもらうためには、どのような取り組みをすると良いでしょうか?

 

①お母さんに対しての初めの一歩

②お母さんからの情報収集

③Bくんに対しての初めの一歩

④Bくんとの関係づくり

⑤Bくんへの配慮の必要性

以上の内容については、以前のブログをご覧ください。

⑥Bくんへの具体的な配慮

<指示はそのときに>

Bくんに限らず、Bくんと似た傾向のある子どもたちは、級友等からの自分を傷つける言動については、教員に執拗に訴え、相手から謝

罪されてもなかなか受け入れようとはしません。

その反面、自分が誰かを傷つけたときには、なかなか認めず、その結果謝ろうとしない傾向があります。

確かにBくんが悪意をもって行うわけではありません。

しかし、この状態が続けば、早晩Bくんと周囲の子どもたちの間で、トラブルが起こることでしょう。

そこで、Bくんが何か級友に迷惑をかける行為をしたときには、そのタイミングを逃がすことなく、その場で自分自身の言動を振り返ら

せます

そして、自分の言動の是非について『どうすればよかったか』を考えさせ、級友に謝罪するケースならば、その場で謝罪をするようにし

ます。

実は、子どもと接していて、自分の言動についてじっくり考えさせ、後日自分の言動について振り返るという取り組みはよくあります。

しかし、Bくんのような傾向の子にとっては、この指導方法は向いていません。

Bくんのような傾向のある子は、時々過去の記憶と現在の出来事が混乱してしまい、過去のケースについて『時を置いて、振り返る』と

いう取り組みは、かえってトラブルの素となりやすいのです。

さらに、こうして教員がBくんに指導している姿を級友が見ることで、Bくんを自分たちと同一視することになり、Bくんを自分たちと

異なる存在としてとらえることも少なくなります。

ぜひ、その場や機会をとらえて、子どもとかかわりをもつことをお勧めします。

 

 

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