【適応教室の目指すところは?】コミュニケーションが苦手な人との上手な関わり方【不登校に目を向けて】30
今月は、【不登校】について、みなさんと一緒に考えています。
プロローグ
【不登校】についての知識の一例(以下、今回までの内容については、過去のブログをご覧ください)
本論
1 不登校の考え方の変遷
2 文科省による不登校の定義
3 不登校児童生徒数の推移
4 【不登校】の理由
① 学校生活に起因
② 家庭生活に起因
③ 本人の気質に起因
5 学校生活に起因の具体的なケースについて
①被害者のケア
②加害者の指導
③観衆の指導
④傍観者の指導
6 家庭生活に起因の具体的なケースについて
事例① 嫁姑のちょっとした考えの相違から不登校?
事例② 『韓流』は【不登校】に効く?
7 本人の気質に起因の具体的なケースについて
事例① ASD(自閉症スペクトラム)傾向のAくんのケース
8 発達段階で配慮すべきポイント
【小学校】の段階で必要なこと
【中学校】の段階で必要なこと
【思春期の特徴のおさらい】
9 不登校が児童生徒に及ぼす影響
① 学習の遅れ
② 社会的自立の基礎を身に付けにくい
10 不登校への対応策
①個別の発達援助
②学級集団などの学校環境への介入
③親子関係などの家庭環境への介入
(以上については、前回までのブログをご参照ください)
④関係機関との連携
前回は、どのような流れで、『不登校』の子どもが適応教室へ通所するようになるかについて、ご説明しました。
今回は、わが子の『不登校』で悩んでいらっしゃる方が、どのように活用されているか等について、お話します。
先日のテレビドラマ『相棒』で、「ひきこもりの子どものことで悩んでいる保護者が信頼したフリースクールが、どうしようもない悪い組織だった」
といった内容を扱っていました。
何だか、デジャブ―のように思いました。
若い方はご存じないかと思いますが、昔『ヨットスクールでスパルタの教育を通して、子どもたちの学校復帰を目指す』という組織がありました。
この時も思ったことですが、ごくごくまれに、こうした活動で実際に学校復帰できたというケースもあります。
ですから、悩んでいる保護者の方は、「うちの子もこんなふうにうまくいくのでは?」と期待されます。
その気持ちは、とてもよく分かります。
しかし、以前から何度もお話しているように、『100人不登校の子どもがいたら、100とおりの理由・原因がある』のです。
ある子どもに適した方法が、その方の子どもに適するかどうかは分かりません。
そして、なによりも大切なことは『学校復帰がゴールではない』ということです。
(このことについては、また別のところで)
そんなふうに考えて、長い目で見て、しかし諦めることなく、使える手法は何でも使うという姿勢が適しているのではないかと考えています。
そんな有効な手法の一つが、『適応教室』と理解してください。
そして、そんな適応教室のうち公立のもの(無料です)は、各自治体の教育委員会が運営しています。
そして、大切なことは各自治体の考え方によって、そのプログラムの力を入れているところが違うということです。
例えば、私が勤務していた適応教室は、『子どもたちの心に栄養を』ということを最重点に置いていたので、学力にはあまり重きを置かず、学習の時
間はありましたが、あくまでも子どもたちがそれぞれ持ち寄った課題に取り組み、大人の相談員がそれを支援するという姿勢でした。
もちろん、「それを良し」とする方もいらっしゃれば、「それでは困る」という方もいらっしゃると思います。
そこで、説明や見学の際に、しっかり見られ質問などもされた上で、通所する本人である子どもと保護者の方で、じっくり検討していただくのが良い
かと考えます。
次回、さらに話を続けます。
こうした身近な問題をもとに、参加者全員で話し合ったり、ロールプレイでスキルの練習をしたりする会【コミュニケーションカフェ】を開いていま
す。
リアルでもOnlineでも開催しています。
詳しくは、このHPのトピックスをご覧ください。