【子どもと約束するときの立ち位置】コミュニケーションが苦手な人との上手な関わり方【感情のコントロール】14

今回は、【コミュニケーションが苦手な人との上手な関わり方】を主のテーマとしながら、【感情のコントロール】に焦点を当てています。

 

その発端として、女子中学生の『友人関係の悩み』に焦点を当ててみました。(詳細は、以前のブログをご覧になってください)

このケースの場合には、『友だち』というものに対しての意識のズレが問題と考えますが、そうした意識のズレが、彼女たちばかりでなく、私たち

身の生活でも、さまざまなトラブルを起こしているのではないでしょうか?

このようなトラブルの原因となる『意識のズレ』ぱどこから生じているのでしょうか?

そこで、私たちの【ものの考え方】について、取り組むことにしました。

【私たちのものの考え方の流れ】

第一段階 信念(詳細は以前のブログへ)

第ニ段階 思考(詳細は以前のブログへ)

第三段階 感情(詳細は以前のブログへ)

第四段階 生理的反応(詳細は以前のブログへ)

第五段階 行動(詳細は以前のブログへ)

攻撃的反応】

【被攻撃的反応】

【アサーティブな反応】

確かに、どうしても「許せない」と思うときもあるでしょう。

でも、相手に伝えたいことは「○○してほしい」という要求であって、怒りのあまり相手を辱めることではないはずです。

そこで、自分も相手も大切にする生き方をしていきたいものですね。

そうすることで、結果として相手にあなたの『真意』が伝わると考えます。

【アサーティブなスキル紹介】

その1 アイメッセージ 続き

一言で説明すれば、『上からではなく横から目線』ということです。

前回、具体例として『勉強すると約束したのに、今夜もゲームばかりやっている。うちの子は約束を守れないウソツキです』と、嘆かれているお父

さんのことをお話しました。

当該の少年の言い分としては、「ずっーと叱られ続けていて、その後に『ゲームばかりでなくて勉強するんだぞ。いいな。約束だ』と言われたら、

『嫌だ』なんて言えないよ」でした。(詳細については、前回の当該の少年とスクールカウンセラーである私の会話をご覧ください)

ここで、お父さんはおそらく悪気がないと思います。

悪気がないどころか、「うちの子を何とかしたい」という気持ちからの行動と思います。

しかし、この『約束』は圧倒的に上位に立つ父親が、下位にいる子どもに言わせている『約束』です。

いいえ、『約束』というよりも、『命令』と言った方が適切かと思います。

父親という権威で、子どもに命令しているという図式ですよね。

これは、本来対等である『約束』とは言えないでしょうし、第一説得力がありませんよね。

そこで、後日来訪されたお父さんに、「あの『約束』はお父さんの『約束』であって、あの子の『約束』ではないですよね」と話しました。

すると、お父さんは「では、私はどうすればよかったのですか?」と、私に尋ねられました。

 

そこで、お父さんに「どうして、そんなに勉強させたいのですか」と尋ねたところ、お父さんは「そりゃあもちろん、良い高校へ行かせたいからで

す」と言われました。

しかし、そんな単純な理由とは思えません。

そこで、「そんなありきたりの理由とは思えません。もっと深い理由があるのではないでしょうか」と尋ねたところ、「どうなんでしょうね」と言

いながら、お父さんが話してくれました。

『お父さんが小学生の頃、クラスの中にとても勉強ができない子がいて、まわりの子たちからからかわれていたそうです。お父さんは、勉強がよくできていましたが、その子のことを『かわいそう』と思いながらも、何もしなかったそうです。いわゆる傍観者だったそうです。そこで、お父さんは「うちの子にはあんな惨めな思いをさせたくない」と思って、ついつい厳しくいってしまう』

といった話でした。

そこで、私は「お父さん、この話をあの子に語ってください」とお願いしました。

お父さんは「えっ、こんな話でいいんですか」と怪訝そうでしたので、「この話がいいのです」と勧めました。

 

みなさん、どう思われますか?

ここで、お父さんが子どもに本当に伝えたいことは「辛い思いをさせたくないから、ゲームばかりでなくきちんと勉強しよう」ということです。

決して、「私はお父さんだ。お父さんが言うとおりに、勉強しろ」ではありません。

この二つの言葉がけの大きな違いは、前者は『お父さんと子どもが、立ち位置がフラットでアドバイスする』のに対して、後者は『お父さんと子ど

もの立ち位置は、はっきり上下関係があって、命令している』ということです。

先のラーメン屋さんの例でも話しましたが、『気持ちをそのまま伝えることが大切であって、上から目線で威張るではなかった』です

よね。

この大切なことを伝える場面で、有用なスキルが【アイメッセージ】なのです。

(ちなみに「私はお父さんだから言うことを聞け」は、ユーメッセージと言います)

ご理解いただけましたか?

次回は、みなさんがこのスキルに慣れるために、具体的に練習してみましょう。

 

こうした身近な問題をもとに、参加者全員で話し合ったり、ロールプレイでスキの練習をしたりする会【コミュニケーションカフェ】を開いてい

す。

リアルでもOnlineでも開催しています。

詳しくは、このHPのトピックスをご覧ください。