【休んでいる子は、来ただけでちやほやされて‥】コミュニケーションが苦手な人との上手な関わり方【不登校に目を向けて】22
今月は、【不登校】について、みなさんと一緒に考えています。
プロローグ
【不登校】についての知識の一例(以下、今回までの内容については、過去のブログをご覧ください)
本論
1 不登校の考え方の変遷
2 文科省による不登校の定義
3 不登校児童生徒数の推移
4 【不登校】の理由
① 学校生活に起因
② 家庭生活に起因
③ 本人の気質に起因
5 学校生活に起因の具体的なケースについて
①被害者のケア
②加害者の指導
③観衆の指導
④傍観者の指導
6 家庭生活に起因の具体的なケースについて
事例① 嫁姑のちょっとした考えの相違から不登校?
事例② 『韓流』は【不登校】に効く?
7 本人の気質に起因の具体的なケースについて
事例① ASD(自閉症スペクトラム)傾向のAくんのケース
8 発達段階で配慮すべきポイント
【小学校】の段階で必要なこと
【中学校】の段階で必要なこと
【思春期の特徴のおさらい】
9 不登校が児童生徒に及ぼす影響
① 学習の遅れ
② 社会的自立の基礎を身に付けにくい
前回お話した『学力の遅れ』とともに、『周囲の子どもとどのように付き合うか』といった、いわゆる『社会性』の不足が大きな課題となってきま
す。
例えば、こんな例がありました。(前回の投稿から、少し感覚が空いたので、再度掲載しています)
『まだ完全に、学校復帰という状態ではなかったAくんが「野外学習へ行きたい」と本人からの申し出があったので、担任の先生は学級全員にその旨を説明し、「みんなの仲間として受け入れてあげたい」と話しました。学級のほとんどの子どもが、好意的な反応だったので、班長達とどの班に入るか、どんな役割を担当するかと話し合いました。野外学習当日も、子どもたちが彼の家へ寄り、一緒に連れてきてくれました。みんなも彼も笑顔があり、担任の先生はほっと一息ついていました。そして、野外学習が始まり、彼も含めて大きなトラブルがなく、三日目の選択した活動となりました。彼は、(マス釣り)が得意なので、生き生きと何匹も釣っていました。そして、近くで釣っていた級友が一匹もつれないのを見て、「こうするといいよ」とアドバイスしました。最初は、そのアドバイスに「ありがとう」と言っていた級友も、彼があまりにしつこく言うので「うるさいなあ」と言いました。すると、彼は「教えてあげているのに」と言い返したので、級友はカットなって「勝手なときだけ来るヤツに言われたくない」と言いました。すると、彼は固まってしまい、見回りにきた先生に「家へ帰る」と言い、担任などの説得もむなしく、保護者に迎えにきてもらい、帰宅しました。カッとなった級友は、他の女子の級友から「あんなこと言うから」と言われて、「えっ、俺が悪いの?」と言いました。担任のあなたは、がっかりしました。』
みなさん、どう思われましたか?
残念ですが、こうしたことは学校の日常でよく起こっています。
例えば、『みんなでゲームの話をしていたら、学校を休んでいる間にゲームをやっていて得意な不登校傾向の子が、その知識を披露して』とか、『不
登校傾向の子が、学期末のお楽しみ会だけ参加して、生き生きと活動して他の子どもに勝ってしまった』など‥
もちろん参加した不登校傾向の生徒はのびのびと、生き生きと活動してくれれば良いのです。
何も周囲に、「私は日頃休んでいるから控えめにして‥」等と、忖度する必要は全くありません。
しかし、そうした状況に対して不満を持つ級友の気持ちも、分からないではありません。
先生の「日頃休んでいる子がせっかく来たのだから、協力してあげよう」は、正しい呼びかけと思います。
しかし、その呼びかけに素直に応じられない子どもたちの気持ちも、私たちは理解し、受け止めるべきと考えます。
では、私たちはどうすればいいのでしょうか。
されを考える前に、『なぜ、不登校傾向の子への配慮に不快感を示す子どもがいるのか』について、考えてみましょう。
さまざまな理由を思い浮かべることができますが、『いつも学校へ来ている私たちは、何も言われないのに、あの子は来るだけでちやほやしてもらっ
ているのはおかしい』という思いではないかと考えます。
そうならば、どうすると良いと思いますか?
私は、以下の2点を考えます。
その1 学級全員(不登校傾向の子も含めて)に、ソーシャルスキルトレーニングを。
その2 学級全員にちやほやしよう。
その具体策は、次回で…
こうした身近な問題をもとに、参加者全員で話し合ったり、ロールプレイでスキルの練習をしたりする会【コミュニケーションカフェ】を開いていま
す。
リアルでもOnlineでも開催しています。
詳しくは、このHPのトピックスをご覧ください。