自分の気持ちとの上手な付き合い方~自分をそのまま受け入れましょう~コミュニケーションカフェ5月例会より20
考えるきっかけ
みなさんは、「日頃は笑って済ませる、ささいな言動に妙にイラついてしまい、自分で自分の心をもて余したり」と言う体験をされたこ
とがありませんか。
時間の経過とともに、薄らいでいってくれるとよいのですが、時には、そうした思いが心の中に沈殿して、次第に心がネガティブな方向
に傾き、人によっては【孤独】や【生きづらさ】を感じることもあるものです。
そんな状況から、自由な自分を取り戻しましょう。
そして、その時に大切にしたいことは、「ネガティブな考えをしてはいけない!」と頑張りすぎるのではなく、自分のなかにある『ポジ
ティブな心』とも『ネガティブな心』とも、上手に付き合っていくことです。
そのための考え・スキルについて、3回のコミュニケーションカフェで、取り組んでいきます。
まず第1回目5月例会では、『自分をそのまま受け入れましょう』に焦点を当てます。
『自分をそのまま受け入れましょう』の内容
【人は言われたとおりに育つ】ということを糸口として、私たちの認知と行動のつながりのシステム (①信念 ➡ ②思考
➡ ③感情 ➡ ④生理的反応 ➡ ⑤行動 ➡ ⑥結果)について考えています。
この流れのどこかを断ち切ることで、『イライラ』や『ゆううつ』な気持ちから、自分本来の気持ちを自由にしましょう。
これまでに、第一段階の【信念】、第二段階の【思考】、第三段階の【感情】、第四段階の【生理的反応】について考えてきました。
(詳細は、以前のブログを参照ください)
現在は、第五段階行動【アサーション】の具体的なスキルについて考えています。(基礎の説明については、以前のブログを参照)
①スモールステップ 前回お話しました。
今回は、②『悩みの種の整理』についてお話します。
私が、スクールカウンセラーとして中学校の『こころの教室』にいたところ、1年の男子生徒がたずねてきました。
「学校がつまらん」といった彼の『悩み?』に耳を傾けていたところ、彼が「先生の仕事は何をすることなの?」「来た人の悩みを解決
することなの?」と尋ねてきました。
みなさんは、どう思われますか?
私は、次のように答えました。
「私の仕事は、相談に来た人の悩みを整理することだよ。悩んでいる人の中には、自分が何で悩んでいるかが分からなくなっている人が
いるから、それを整理してあげるんだよ」と答えました。
そして、「それじゃあ、具体的にやってみよう。○○くんが、今悩んでいることや嫌だなあと思っていることを話してみて」と言ったと
ころ、彼はいろいろ話してくれました。
「もうすぐ期末テストだけど、中間が悪かったから、今度はいい点とらなきゃならない。そうしないと、母さんから叱られる」
「僕の家のシロ(愛犬の名前)が病気みたいだ」
「このごろ、父さんと母さんが、よくケンカしていて、嫌だあ」
「母さんと隣の家のおばさんが、このごろ仲良くない」
「今度の野球部の試合で、1年生も出してもらえるみたいだけど、でられるかなあ」等
これを全て、彼の目の前で書き出しました。
そして、「じゃあ、この悩みの内で○○くんが悩んでも、どうしようもないことは何?」と、彼と一緒に一つずつ検討していきました。
「テストは、○○くんが何とかすることだよね。でも、母さんと隣の家のおばさんが仲良くないっていうのは、○○くんが悩んでもどうし
ようもないことだよね。‥‥」と話を続けて、目の前のリストをチェックしていきました。
すると、『テスト勉強』等いくつかに絞られてきました。
そこで、「はい、○○くんが悩むことは、これだけになったよ」と提示したところ、「じゃあ、これを先生が解決してくれるの?」と尋
ねたので、「違うよ。悩むのは○○くんがすること。君が、自分で考えること。私はお手伝いはするけどね」と答えました。
いかがでしょうか。
『相談』とはそういうことであり、スクールカウンセラーとはそうした仕事と考えます。
そして、彼に話したように、本当に悩んでいる人は、『自分が何で悩んでいるかが分からない』のです。
ですから、みなさんが悩まれて、頭がくちゃくちゃになっているときには、カウンセラーに『悩みの種の整理』をしてもらうことをお
すすめします。
しかし、そうした人がいつも身近にいるとは限りません。
そこで、『悩みや嫌なことを箇条書きに書き出して、リスト作成』をしてみてください。
そして、『自分が悩んで何とかできること』『自分が悩んでもどうにもならないこと』に分けて、後者はスパッツと切り捨ててくださ
い。
そして、残った物事について、真剣に悩んでみましょう。
ぜひ、悩んでください。
そして、中には「悩まなければならないことも切り捨ててしまったら、どうしましょう」と心配される方もいらっしゃいます。
大丈夫です。
本当に悩まなければならないことは、将来姿を変えて、あなたの前に再び現れます。
悩むのは、その時で構いません。
ぜひ、お試しを‥
ハピネスでは、こうした身近な問題をもとに、参加者全員で話し合ったり、ロールプレイでスキルの練習をしたりする会【コミュニケー
ションカフェ】を開いています。
リアルでもOnlineでも開催しています。
詳しくは、このHPのトピックスをご覧ください。