何ができるだろう④どうしたら、友だちはできるの?④
今回は、人と人との関わりにおいて、おそらく永遠のテーマである『どうしたら、友人ができるだろうか』『友人とどのようにかかわっ
ていけばよいだろうか』等について、考えていきます。
事例1 友人関係を長続きできない女子中学生の場合
Aさんは、中学2年生の女子。学習成績は伸び悩んでいるものの、バスケットボール部に所属し、身長の高さを生かして、試合ではポイ
ントゲッターとして活躍している。
休み時間に廊下を通るときに見かけるAさんは、級友とよく談笑している姿が印象的であり、一見何の悩みもないように思われた。
しかし、相談に訪れたAさんは「私には友人がいません」と言い、泣き始めた。
さぁ、何が問題なのでしょうか。
Aさんと話してみて、印象的だったことが二つありました。
まず一つ目は、よく言えば自分の考えをきちんと持っている。
しかし、悪く言えば他の考えを受け入れない、すなわち「こうである」と決めると、他の考えを受け入れにくいという傾向を感じまし
た。今の言葉で言えば、「こだわりが強い」ということについては、前回詳しくお話しました。
もう一つは、相手との心理的な距離感の特異性でした。
子どもは、相手が言ったことをそのまま受け止めれば良いと思います。
だからと言って、相手の心理的なテリトリーへ、ずけずけと踏み込めば、相手は退いてしまうか、拒絶することでしょう。
やはり『友だちでも言っていいことと悪いこと』はあるのです。
踏み込んでは、いけないことはあるのです。
そんな彼女が、将来社会で生きていくために、どのようなアドバイスをすればよいかーについて考えます。
野生の動物を扱った番組を見ていて、いつも彼らの『縄張り』『テリトリー』の大きさに、驚かされます。
当たり前のことですが、大型動物になればなるほどさらに広大な面積を必要とします。
その結果、絶滅が問題となってしまうというのは、悲しいけれども、とても分かりやすい話です。
さて、私たち人間について考えてみましょう。
ずっと以前に、「日本人はウサギ小屋に住んでいる」と欧米から言われたことがありました。
そのころの日本人は、今と比べるとずっと貧しくて、住環境が整っていなかったので、狭い場所に家族が密集して暮らしている状況を、
そのように言われたわけです。
もちろん、今はモデルハウスのような立派な邸宅を、我が家の近くでも見かけることが増えてきました。
その一方、このコロナ禍で『ソーシャルディスタンス』が言われ、人と人の距離を取ることが求められています。
以上は、人と人との物理的な距離についての説明です。
実際、満員電車の中で、知らない多くの人と密集した状態にいると、なかなか心が落ち着きません。
中には、心臓がせバクバクしてくる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
では、人と人との心理的な距離はどうでしょうか。
上を、クリックしてみてください。
ここでは、【人と人との距離感】についてのランキングが表示されています。
彼女と話して、バスケット部で結構活躍しているので、バスケについての会話では、部員たちとかなり会話ができると感じました。
しかし、その部活の話題の雰囲気のままで、部活以外のプライベートに立ち入ってしまう状況も分かってきました。
例えば
彼女「今度の試合の相手に対しては○○○○という作戦がいい?」
部員「うん、それでいいと思う。明日の練習も頑張ろうね」
彼女「もっと練習したいね」
部員「できるといいね」
彼女「1時間前にあつまろうよ」
部員「ごめん。それは無理」
彼女「どうして?さっき頑張るって言ったじゃない。どうして?」
部員「ちょっと用事があるから」
彼女「何の用事なの?」
部員「‥‥」
いかが思われますか?
ハピネスでは、こうした身近な問題をもとに、参加者全員で話し合ったり、ロールプレイでスキルの練習をしたりする会【コミュニケー
ションカフェ】を開いています。
リアルでもOnlineでも開催しています。
詳しくは、このHPのトピックスをごらんください。