【心のエネルギーの回復】コミュニケーションが苦手な人との上手な関わり方【不登校に目を向けて】25
今月は、【不登校】について、みなさんと一緒に考えています。
プロローグ
【不登校】についての知識の一例(以下、今回までの内容については、過去のブログをご覧ください)
本論
1 不登校の考え方の変遷
2 文科省による不登校の定義
3 不登校児童生徒数の推移
4 【不登校】の理由
① 学校生活に起因
② 家庭生活に起因
③ 本人の気質に起因
5 学校生活に起因の具体的なケースについて
①被害者のケア
②加害者の指導
③観衆の指導
④傍観者の指導
6 家庭生活に起因の具体的なケースについて
事例① 嫁姑のちょっとした考えの相違から不登校?
事例② 『韓流』は【不登校】に効く?
7 本人の気質に起因の具体的なケースについて
事例① ASD(自閉症スペクトラム)傾向のAくんのケース
8 発達段階で配慮すべきポイント
【小学校】の段階で必要なこと
【中学校】の段階で必要なこと
【思春期の特徴のおさらい】
9 不登校が児童生徒に及ぼす影響
① 学習の遅れ
② 社会的自立の基礎を身に付けにくい
その1 学級全員(不登校傾向の子も含めて)に、ソーシャルスキルトレーニングを。
その2 学級全員を見る目を養おう。
(ここまでのブログを参照してください)
9 不登校への対応策
ここまで、『不登校』に関する、理由や傾向などについてお話してきました。
そこで、いよいよ今回から、その【対応策】について考えていきましょう。
①個別の発達援助
ここで、周囲の大人としてまず大切にしたいことは『不登校子どもたちの心的エネルギーの回復』です。
よく保護者の方から、「うちの子は不登校なのに、落ち込んでいるわけでもなく、ただ勝手なことを言っているだけです。あれで、本当に傷ついてい
るのですか?」といった質問をいただきます。
お返事は、もちろん「傷ついています」です。
保護者のみなさん自身にも、ご自分を振り返っていただきたいのですが、本当に傷ついて落ち込んでいるときに、職場の同僚(仕事上は仲良くやって
いるが、プライベートで食事したりすることはない)レベルの人に、「実は、私は悩んでいて‥」と打ち明けますか?
みなさん自身もしないでしょうし、もし打ち明けられたら、された方も困るでしょうね。
つまり、私たちはもう少し人間関係のレベルが深まっている人に、べつの言葉で言うならば『信頼できる人』に、悩みを打ち明けると思います。
子どもたちも同じではないでしょうか。
「どうせ、父さんや母さんに相談しても、『そんなこと言う前に、勉強しなさい』とか、『学校を休んでいるくせして、何をわがまま言っているん
だ』とかって、言われるんじゃないか」と、子どもたちは思っているのではないでしょうか。
そこで、ぜひとも彼らの話を落ち着いて聴いていただきたいのです。
「どうせ、勝手なことばかり言う」は、ちょっと封印しましょう。
しかし、「思っていることを全部話して」と言われても、彼等も困るでしょうね。
そこで、「今、どんなことを思っているの?お母さんは、あなたの学年の頃は、部活動ばかりやっていたから、却って何も悩んでいなかったと思うの
ね。だから、あなたの思っていることを教えてほしい。、よかったら相談にのるよ」と声をかけたり、一緒に買い物へ行きランチを食べて楽しい雰囲
気をともに味わったりしましょう。
(不登校の子どもや保護者の方の中には、学校の授業中に遊びに行ったりしてはいけないと考えられる方もいらっしゃるようです。もっと、肩の力を
抜いて、おおらかに過ごされても良いのではないでしょうか?)
そんな中、子どもが何か言い始めたら、じっくりと聴きましょう。
その時には、話の理由や評価をするのではなく、彼等の気持ちを分かち合いましょう。
そうすることで、彼等の中に「父さんや母さんは、私のことを大切に思ってくれている」といった気持ちが芽生えてきたら、そこから子どもたちと保
護者の関係が育ち始めるのです。
そんなことを繰り返しながら、子どもたちの『心のエネルギー』を充填してください。
一朝一夕に何とかなることではありませんが、ぜひ『心のエネルギー』を与えてください。
こうした身近な問題をもとに、参加者全員で話し合ったり、ロールプレイでスキルの練習をしたりする会【コミュニケーションカフェ】を開いていま
す。
リアルでもOnlineでも開催しています。
詳しくは、このHPのトピックスをご覧ください。