【個を見る目全体を見る目】コミュニケーションが苦手な人との上手な関わり方【不登校に目を向けて】⑰
今月は、【不登校】について、みなさんと一緒に考えています。
プロローグ
【不登校】についての知識の一例(以下、今回までの内容については、過去のブログをご覧ください)
本論
1 不登校の考え方の変遷
2 文科省による不登校の定義
3 不登校児童生徒数の推移
4 【不登校】の理由
① 学校生活に起因
② 家庭生活に起因
③ 本人の気質に起因
5 学校生活に起因の具体的なケースについて
①被害者のケア
②加害者の指導
③観衆の指導
④傍観者の指導
6 家庭生活に起因の具体的なケースについて
事例① 嫁姑のちょっとした考えの相違から不登校?
事例② 『韓流』は【不登校】に効く?
7 本人の気質に起因の具体的なケースについて
事例① ASD(自閉症スペクトラム)傾向のAくんのケース
この件について考える糸口
①小学校の先生には、ほとんど空き時間というものがなく、あなた(担任の先生)も、次の授業へ行かなければならないという現状を考えて、どのよ
うに行動すれば良いか?
➡前回のブログ参照(チーム学校の考え方など)
今回の考える糸口は
②学級内で孤立傾向のあるAくんへの配慮を、快く思わない子どももいるのがリアルな学級の姿です。Aくん、他の子どもたちに対して、どのように
行動すれば良いか?
学年が上がるにつれて、級友たちも『ちょっと風変わりな言動をする子』に、良くも悪くも慣れてきます。
しかし、小さな子供たちは、『ちょっと風変わりな言動をする子』の言動を受けとめることは、なかなか難しいものです。
小1プロブレムとか、中1ギャップといった言葉をごご存じでしょうか?
そこには、いくつかの幼稚園保育園から一つの小学校に進学したり、いくつかの小学校から一つの中学校に進学したりするときに、『ちょっと風変わ
りな言動をする子』と同じ環境で育った子どもたちは慣れているので、「あの子はいつもあんな感じだよ」と問題視しませんが、違う環境で育ち、初
めてその子と接する子どもたちは「あの子だけ特別なの?」と、違和感を訴えたり、ときには攻撃性を示したりもすることが含まれています。
そうした状況の中で、『虫』に夢中で自分の世界に入ってしまっているAくんと、他の子どもたちのバランスをどうとるか、配慮が必要なことがらと
考えます。
Aくん個人については、上記①でお話した内容の対応です。
他の子どもたちに対してですが‥
上記のいずれの方法を選択しようとも、学級へ行くのは遅くなるので、小さな級友たちは「どうして、Aくんだけ特別なの?」と、不満を訴えること
でしょう。
そんな時、例えば‥
「みんな、遅くなって待たせてごめんね。みんなは、Aくんが虫を大好きだっていうことを知っているよね。さっき、大好きな虫を見つけてしまった
ので、先生にその話をしてくれてたんだよ。たから、遅くなってごめんね。せっかくだから、Aくんから虫の説明をしてもらおうと思うけど、どうか
な?」と、学級の子どもたちに話します。
もちろん、ここでAくんが話せたら良いのですが、無理な場合にはAくんからの受け売りを説明するとか、他の虫好きな子に話してもらうとか、みん
なでタブレットで調べてみるとか等と、『ただ待たされた無駄な時間ではなく、全員の学びの時間』へと、とらえ方を変えさせたいと考えます。
そして、このことはAくんばかりでなく、さまざまな『学校生活に適応することが苦手な子どもたち』にも、あてはまる対応とも考えます。
言わば、ユニバーサルデザイン的な考え方・取り組みではないでしょうか。
こうした活動によって、なかなか学級の中での立ち位置が定まらないAくん自身の自己肯定感も高まると思います。
そうすることで、Aくんへの「みんなはAくんのことを心配していたよ」という言葉けがの気持ちが伝わり、少しずつ他を受け入れられるようになる
のではないでしょうか。
『個=一人一人の子ども』と『全体=学級の全ての子ども』を見る目の両方が大切ですね。
こうした身近な問題をもとに、参加者全員で話し合ったり、ロールプレイでスキルの練習をしたりする会【コミュニケーションカフェ】を開いていま
す。
リアルでもOnlineでも開催しています。
詳しくは、このHPのトピックスをご覧ください。