おめでとう!ハッピー物語①
とてもうれしいことがありました。
4,5年ぶりにハッピー(Hくんをハッピーと呼んでいたので、ここでもハッピーとします)から、電話がありました。
「先生、長いことかかったけど、やっと採用試験に合格したよ」とのうれしい連絡でした。
本当に、長い時間が経ちました。
ハッピーは、今から18年前に教務主任として○○中学に赴任した時の生徒会長でした。落ち着きがなく、思慮の浅い言動が目立っていましたが、人懐っこく「杉ちゃーん」と私に妙になついていました。高校卒業後「勉強したくない」と言い、家業の八百屋を継いでいましたが、成人式後のパーティで会ったときには盛り上がっている友人たちを後目に、なんだか寂しそうでした。その後、「相談がある」と尋ねてきた彼は、家業がなかなかうまくいっていない自分がパーティでは居場所がなかったことや、将来の夢があるが無理だろうと言いました。「どんな夢?」とさらに尋ねると「小学校の先生。でも無理だわ」と言いました。
小学校の先生になるには、大学を卒業し、教職課程を修了して教員資格を取り、どこかの都道府県等の採用試験に合格しなければなりません。ハッピーは、そもそも第一段階からクリアできていません。年齢も21才になっています。ご両親からの支援もなかなか期待できません。
常識的に考えたら、あきらめることが無難だと、私自身思います。しかし、家業の厳しい状況を考えると、このままではハッピーにとって明るい未来があるとは思えません。また、ハッピーは小さな子やお年寄り等にやさしく接することもできます。
そこで、彼に「あなたが本当に真剣ならば、応援する。あなたはどこまで真剣なの?」と尋ねました。
彼の答えは…(明日へ続く)