不登校について考えましょう ⑰ 周りが見えない個と、異質な子を許せない集団のあるある 

(写真は、北海道富良野から見た日の出の様子です)

今、『不登校』について考えています。

今までに

『不登校』に関する基本的なことがら(不登校の定義、人数など) 

「不登校の理由は、100人いれば100とおり」であるが、大まかに【学校の状況に原因】【家庭環境に原因】【本人の質に

原因】の3つに分類される 

『本人の気質に原因』に分類された内容 ケース①【中2野外学習のマス掴みで生じたトラブル】を題材として、彼の気質にアプロ

するとともに、そのためのソーシャルスキルトレーニングの練習

家庭環境に原因』に分類された内容 ケース②【小4大好きなママとおばあちゃんの気持ちのすれ違いで生じたトラブル】を題

材として、家庭内での心の居場所の大切さを確認するとともに、「話の聴き方」の練習

 

『家庭内に心の居場所がないならば、かえって学校へ行くのではないか』とのお尋ねもありましたが、『家庭内に居場所があるから、落

ち着いて登校できる』と考えます。『家庭内に心の居場所がない』ならば、『家庭を離れること』が心配で、学校なんかへ出かけることができなくな

ってしまうのではないかと、考えるわけです。

以上について、みなさんと一緒に考えてきました。(以前のブログをご覧ください)

 

今まで『本人の気質に原因』家庭環境に原因』という2つの視点から『不登校』について考えてきました。

異なる視点に立って、3つ目の事例を考えてみましょう。

ケース③小5こだわりの強い児童の言動が周囲に受け入れられなくてトラブル発生

Aちゃんは、ものや人の好き嫌いが激しくて、クラスの子どもたちと、よくトラブルを起こしてしまい、そうするとしばらく学校を休みます。ある日、

昼の休憩時間に、Aちゃんは運動場で、ちょっと変わった虫を発見しました。もともと虫が大好きなAちゃんは、その場から動かなくなりました。午後

の授業が始まるチャイムがなったので、担任の先生がAちゃんの近くへ行き、「教室へ行こう」と何度も誘いますが、なかなかAちゃんは動こうとしま

せん。

しぱらく経ってから、やっと教室へ動きました。

教室へ行くと、クラスは何とも言えない雰囲気になっていました。担任の先生がいた間は、誰も何も言いませんでしたが、帰りの準備で、先生が不在に

なったところで、「あーあ、勝手なことができる人はいいなあ」等と、Aちゃんに聞こえよがしに言った子たちがいました。

そんなことがあった後、Aちゃんは学校をよく休むようになりました。

このケースの問題点は何でしょうか?

Aくんの不登校の原因は、何だと思われますか?

私たち周囲の大人としては、どうすればよかったのでしょうか?

これからどうすれば良いでしょうか?

 

いかが思われますか?

この事例は、まさしく学校あるあるです。

ケース①と同様の『集団の中での異質なものへの拒否感』『児童自身の資質の問題ーSSTの必要性』の他に、学校として・教員として

『インクルーシブ教育のあり方』『集団の維持と個の尊重』など、考える点がたくさんあります。

以上のことをヒントとして、みなさん自身でも次回までに考えてみてください。

『絶対にこれが正解』は、おそらくないと思います。

ベストとは言いません。

一緒にベターな考えを見つけていきましょう。

 

こうした身近な問題をもとに、参加者全員で話し合ったり、ロールプレイでスキの練習をしたりする会【コミュニケーションカフ

ェ】を開いています。

リアルでもOnlineでも開催しています。

詳しくは、このHPのトピックスをご覧ください。