【居心地のよい学級づくり】コミュニケーションが苦手な人との上手な関わり方【不登校に目を向けて】27
今月は、【不登校】について、みなさんと一緒に考えています。
プロローグ
【不登校】についての知識の一例(以下、今回までの内容については、過去のブログをご覧ください)
本論
1 不登校の考え方の変遷
2 文科省による不登校の定義
3 不登校児童生徒数の推移
4 【不登校】の理由
① 学校生活に起因
② 家庭生活に起因
③ 本人の気質に起因
5 学校生活に起因の具体的なケースについて
①被害者のケア
②加害者の指導
③観衆の指導
④傍観者の指導
6 家庭生活に起因の具体的なケースについて
事例① 嫁姑のちょっとした考えの相違から不登校?
事例② 『韓流』は【不登校】に効く?
7 本人の気質に起因の具体的なケースについて
事例① ASD(自閉症スペクトラム)傾向のAくんのケース
8 発達段階で配慮すべきポイント
【小学校】の段階で必要なこと
【中学校】の段階で必要なこと
【思春期の特徴のおさらい】
9 不登校が児童生徒に及ぼす影響
① 学習の遅れ
② 社会的自立の基礎を身に付けにくい
10 不登校への対応策
①個別の発達援助
子どもたちの『心のエネルギー』を充填しましょう。
②学級集団などの学校環境への介入
学校での人間関係が子どもたちの人格形成に大きな影響を与えることは、自明の理と言えますね。
そんな中、【不登校】の子どもがたまに登校した時に、温かな雰囲気で学級の子どもたちが受け止めてくれることで、『学校復帰』のハードルが低く
なると考えます。
【不登校】の子どもの学校復帰を促す手段はさまざまあるかと思いますが、級友からの働きかけは、とても大きな力になると考えます。
では、どのように?
また、実際には、他の子どもたちはどのように感じているのでしょうか。
現在、小学校のスクールカウンセラーや、大学の講師をしている関係上、さまざまな子ども・若者と接する機会が多くあります。
そこで、子どもや若者に「不登校の子が、お楽しみ会だけ参加したら、あなたはどりように思いますか?」と尋ねました。
すると、さまざまな回答が返ってきました。
「私は鈍感なのか、何とも思わなかった」
「不登校の子は、小さな時の仲良しだったので、これを機会に登校できるようになればいいのにと思った」
「小さな時は、やっぱりインチキだなぁと思った」
「どうして、登校しただけで褒められるのだろうと腹かたったことを覚えている。私たちは、学校へ来たぐらいでは、何も言われないのに‥」
等という回答がありました。
『不登校の子がせっかく登校したのだから、温かく迎えてあげよう』は、誰でもが思うことでしょう。
しかし、その気持ちを現実の行動に結びつけるためには、いくつかのハードルがあると考えます。
その一つが、以前にもお話した『特別扱いへの嫉妬や怒り』ではないでしょうか。
その際にもお話しましたが、子どもたちが「どうして嫉妬するか」を考えましょう。
なぜならば、普通に登校している子どもたちは、何もちやほやしてもらえないからと、推察します。
そこで、『休んでいる、休んでいない』に関わらず、子どもたちの日常生活をしっかり見つめて、日頃から個別の声掛けに取り組みましょう。
その上で、子どもたち相互の認め合い活動にも力を入れていきましょう。
「先生は、私のことをしっかり見てくれている」という思いが強ければ、担任が不登校の子どもに配慮している姿を見て、「○○ちゃん、大丈夫か
な?先生も大変だ」といった思いを強くもつようになってきます。
すなわち、一人一人の生徒への温かな指導や心配りは、特定な子どもばかりでなく、学級全体の力量を高めることにもつながると考えます。
不登校傾向に限らず、多くの子にとって居心地の良い学級とは、こうしたことによって成立すると考えます。
こうした身近な問題をもとに、参加者全員で話し合ったり、ロールプレイでスキルの練習をしたりする会【コミュニケーションカフェ】を開いていま
す。
リアルでもOnlineでも開催しています。
詳しくは、このHPのトピックスをご覧ください。