【子どもを褒める時は?】コミュニケーションが苦手な人との上手な関わり方【発達障害(碍)傾向に目を向けて】
【ASD ADHD SLDの概要】については、前回までにご説明しました。
今回から、関わり方について考えていきましょう。
どのように関わっていくか①
よく世間では、「褒めて育てる」と言います。
「その子の良いところを認めよう」とも言います。
しかし、保護者の方からは「褒めて育てた方が、叱って育てるよりも良いだろうとは、私も思う。しかし、わが子を見ていて、褒めるこ
と・認めることがないように場合には、どうすればよいのか?それでも、何かこじつけて褒めるべきなのか?」といったご質問をいただ
くことがあります。
そうですよね。
特に「ゲームの前に勉強しなさいと言っても、いつもゲームばかり。どうやって褒めるのですか?」というご意見には、うなづかれる方
も多いのではないでしょうか?
もちろん、褒められない時には褒める必要はありません。
小さな子どもならば別ですが、ある年齢以上になると、何も良いことをしていない時に、保護者から褒められると「わざとらしい。褒め
ればいいってもんじゃないよ」と、却って反感や不信感をかってしまうのではないでしょうか。
では、どうすればいいのでしょうか。
作戦① 偶然良いこと(今回の場合では『上手な関わり方』)ができた時に、強く評価する
ずっと以前、私が新米の教員だったころは、ヤンキー全盛時代でしたから、私はクラスのヤンキーと毎日闘っていました。彼らが、学校
を抜け出すと、私も校門を乗り越えて追いかけて、後になって教頭先生からご指導をうけるといったこともありました。
そんな彼らですが、たまに本当に偶然に、こちらが何かしてあげた時に、「ありがとう」と言ってしまう時があるのです。
本人は、言ってから「しまった」といった表情をしています。
しかし、私たちには、そこがポイント、突っ込みどころなのです。
「みんな聞いた?○○くんって、本当はこんなきちんとした挨拶ができるんだよ。私は感激しちゃった。みんなも、○○くんのようにちゃ
んと挨拶してね」と、クラス全員に話しかけると、引っ込みがつかない彼は、困ったなという顔をしていますが、その実まんざらでもな
い気持ちなのです。
こういうところにつけこみましょう。
そうすると、『そうした良い言動』しかできない場面が現れてきます。
慣れない間は、彼にとってもストレスかもしれませんが、その内『良いことをして褒められる』という対応に慣れてきますし、そうした
結果の心地よさも自然に受け止められるようになってきます。
そうなってきたら、人は少しずつ変化していくのです。
それを信じて、「偶然良いこと(上手な関わり方)をしてしまった」時に、しっかり褒めましょう。
小さな子ならば、しっかり抱きしめてあげるのもよいですよね。
では、その一瞬をどのように見付けるか?
その一瞬を見つける方法については、次回お話します。
こうした身近な問題をもとに、参加者全員で話し合ったり、ロールプレイでスキルの練習をしたりする会【コミュニケーションカフェ】
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