相談ー相手の話の聴き方・話し方⑦ 未来の教員を目指す学生と関わって番外編

この連載の内容として

第1シリーズでは、発達障害を中心とした【学級・学校に適応することが難しい子どもとの係り】について

第2シリーズでは【学力差がある集団への係り】について

第3シリーズでは【一見仲良さそうに見えるなれあい集団内部への係り】につい

第4シリーズでは『教職を目指す学生が考える【理想の教師像】』について考え、教師を目指す彼らが『悩みを抱えている子どもへどの

ように寄り添うかについて、考えました。

今は、シリーズの番外編として、そうした【寄り添い方】について考えています。

まずは、『寄り添い方』の第一歩として、『話の聴き方』から始めていきましょう。

 

質問①

親しいAさんから「ねぇ、私の話をきいて、私の気持ちをわかって」と頼まれた時の『わかって』は、『解って』『分かって』『判っ

』のどれにあたるでしょうか。

解答①

相談者は「私の悩みをわかって」と言っているのですから、つまり『分かち合う』のですから、『わかって』は『分かって』となります

 

質問②

あなたの『相手の話を聴けない人チェック

1 自分の心に余裕がないから、相手に関心を向けられない。

2 相手の持つ力や可能性への信頼がないから、指示・アドバイスが多くなる。

3 自分にOKと言えないから、相手にもOKと言えない。

解答②

1 もし「心に余裕がなくて、とても無理」と思われるのでしたら、「ごめんなさい。今、私何だかいっぱいいっぱいで。きっと、何も

良いアイデアが浮かばないと思うけど、聞くだけでいいなら、聞かせて」と言っても、いいのではないでしょう

2 『受験を控えているのに、ゲームばかりやっている子どもと保護者の関係』を想像してみてください。

不信感からのアドバイス・指示に対して、子どもは反発してしまい、またトラブルが発生するわけです。

 『自分にOKと言えないから、相手にもOKと言えない』について、考えてみましょう。 

『自己肯定感』が高いということは、今の自分の生き方にOKと言えるわけです。

その反対に、『自己肯定感』が低い状態のときには、私たちは相手を認めて受け入れることも、難しいということだと思います。

 

では、次に『相手の話を聴く』ために、私たちはどのような姿を目指せばよいかについて、考えていきましょう。

 

今年度、教育実習で頑張ってきた学生さんたちから、次のような相談がありました。

教育実習で、生徒がせっかく相談してきてくれたのに‥‥‥】大学4年生Aさん

私は中学校で教育実習を体験しました。私の行った学校は、結構横着な男子もいて、授業中静かにさせるのが大変な時もありました。しかし、私が一番後悔しているのは、せっかく相談してきてくれた女の子に、きちんとしたアドバイスができなかったことです。彼女は、友人関係で悩んでいて、担任の先生は中年の男の先生だったので、「先生はお姉さんみたい」と言って、初めの頃からいろいろ話しかけてくれました。そんな彼女が、最終週の木曜日(翌金曜日が最終日)の授業後に、「相談したいことがあります」と相談に来ました。空き教室で、彼女が女子グループの中での友人関係がうまくいっていないという話を聴きました。私としては、「相手はそんなこと思っていないよ」等と、私の経験からのアドバイスをしましたが、何となく彼女に伝わっていないようで。翌日、続きを話そうと思っていたら、彼女は欠席したので、それっきりになってしまいました。私はどうすればよかったのですか?

 

みなさんなら、どのように返事をされますか?

【私からAさんへ】

わずかな実習の間に、そんなに生徒のことを一生懸命に考えてくださって、どうもありがとう。

私が、その女の子の担任ならば、とても有難いと思います。

Aさんは、「もっと、適切なアドバイスをしてあげたかった」と後悔されていますが、それは違うかと思います。

Aさんは、『相談』とは『適切なアドバイスをすること』と考えられているようですが、そうでしょうか。

『相談』とは、悩みを打ち明けてきた相手と一緒に、その悩みを『分かち合う』ことであり、一緒に揺れてあげることと考えます。

そう考えると、Aさんはその女の子にずっと寄り添ってあげられたのではないですか?

仮に、もしAさん自身が、誰かに相談するときのことを想像してみてください。

『相談』するときに、Aさんは「相手が、魔法の杖をもっていて解決してくれる」なんて期待していますか?

ちがいますよね。

自分の気持ちをわかってほしいのではありませんか?

『相談』とは、そういうことなのです。

ですから、『良い聴き手』となればいいのではないでしょうか。

Aさんは、どう思いますか?

 

みなさんは、どう思われますか?

 

 

ハピネスでは、こうした身近な問題をもとに、参加者全員で話し合ったり、ロールプレイ

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