おめでとう!ハッピー物語8
『天は自ら助くる者を助く』…
では、天がハッピーを助けてくれたのでしょうか?
教員採用試験に落ち、これからの1年間をどのように食いつないでいくか……
何ら妙案のないハッピーに、「一応講師登録をしておいたら」と提案しました。そこで、登録してきました。
すると、「○〇小学校ですが…」と教頭先生らしき方から電話があり「産休に入る先生の代わりに、働いていただけないか」との打診でした。もちろん、ハッピーに否応はありません。返事は「よろしくお願いします」しかありません。「うまく教えられるだろうか」という私の不安とは別に、ハッピーは全く違うことを考えていました。それは、教頭先生?から「◇◇先生」と呼ばれたことで、緊張しきっていたのです。ここが、企業に入った1年目と異なり、新米先生は1年目から「◇◇先生」と呼ばれるわけです。この反応に私としては、さらに不安が募りますが、子どもたちと学んだり遊んだりできるということで、ハッピーはうれしそうでした。
こうして、ハッピーは講師として「小学校の先生」になることができました。
時々かかってくる電話からは、「先生、俺頑張ってよかったわ」といううれしい言葉が返ってきます。
「小学校の先生」になれてうれしいハッピーは、正規の教員と講師の給与などの条件の違いは気にしていません。
「このまま講師でいいって」とも言っていました。
しかし、ハッピーは産休の先生の代替講師ですから、その先生が復帰したら、やめなければなりません。
その時がやってきました。
ハッピーは、その小学校を去らなければなりません。
大好きな子どもたちと、別れなければなりません。
何人かの子どもたちは、泣いて別れを惜しんでくれたようです。
そのとき初めて、ハッピーが「講師じゃない先生になりたい」と言いました。
では、どうすべきか……