GWは、身の上相談週間①自己有用感-2

【事例1 病院内で勤務部局が変わった女性看護師 32才の場合】(前回のブログに続く)

うーん、つらいねえ。

私は、命を預かる現場で働いた経験がないので、あなたの辛さや苦しさを本当に理解できているかどうかは自信がありません。

でも、あなたとこうしてかかわりあうことになったのも、何かの縁だと思うのね。

なので、私の話にすこし付き合ってください。

今、大阪では『医療現場の崩壊』と言われていて、医療関係者のみなさんが疲れ切っているーといった話をよく耳にしています。

それはおそらく、他の地域でも、また直接『コロナ』と関わりのない部局で働いていても、さまざまな影響があると思います。

私は、入院したときに「何て看護師さんたちは、温かな優しい気持ちで患者に接することができるのだろう」と、感激したことがありま

す。

そして、その志の高さに大いに感銘を受けたことも覚えています。

あなたも、小さな頃からの希望をかなえて、看護師になったのでしたよね。

そして今、あなたは「周囲に迷惑をかけてしまった」「私は何の役にもたっていない」と思い、「やめる」ことを考えていますね。

「迷惑をかけた」というのは、新しい部局なので「後輩の看護師よりも役に立っていない」こと、また「ワクチンの副反応のため休み、

周囲に迷惑をかけた」ということですよね。

ここで思ったことは、新しい部局=職場に赴任すると、何も分からないことばかりという現実です。

それこそ、教員としての自分自身を考えてみても、(鉛筆がどこにあるかも分からない)というのが実情です。

そこで、周囲に尋ねるわけですが、その時には周囲はすべて(その職場では)先輩になるわけです。

仮に、学校を出て2年目の若者であろうとも、看護師としては後輩ですが、その部局では先輩となるわけです。

そこでのやり方やものの配置など、そこでの「先輩」に尋ねたり、頼ったりすることは、ごく自然のことではありませんか。

また、「ワクチンの副反応」で体調を崩し休んだことは、周囲にアドバイスできる知見を一つ手に入れたということではないですか。

患者さんや、ワクチン接種に来訪した人の中で、同じ現象があったときに、「○○の場合にはこんなことが…」とアドバイスできるので

はないですか?

あなたの体験は、周囲に迷惑をかけたというよりも、医療現場で共有できる体験として生かすことができるのではありませんか??

そしてまた、命を扱う第一線に立つ身として、『死』と絶えず向かい合う意識というのは並々ならぬものと推察します。

一生懸命にケアしていた患者さんの『死』を目の当りにしたら、それはとても辛いことですよね。

どうか可能な限り、その『死』を受け止めて、悲しんであげてください。

先日も、『トリアージ』が話題となるほど、この状況では『命』の扱いがぞんざいになってきているように思います。

なかなか忙しく、そんな時間もないのかもしれませんが、ぜひ『死』を前にして怯え、悲しんでください。

『命』『死』という問題に対して、私たちはもっと謙虚になるべきと考えます。

そして、あなた自身の心の中で、(納得できないと思いますが)一つの区切りをつけて、次の患者さんと接していきましょう。

『やめる』か否かは、もちろんあなた自身で決めることです。

ですが、どちらにしろ決断する前に、よく悩んで悩んで悩み抜いてください。

それだけの時間と手間暇と、そしてエネルギーをかけるに値することと考えます。

また、お話したいです。

 

ハピネスでは、こうした身近な問題をもとに、参加者全員で話し合ったり、ロールプレイでスキの練習をしたりする会【コミュニケー

ションカフェ】を開いています。

リアルでもOnlineでも開催しています。

詳しくは、このHPのトピックスをごらんください。