若者のトリセツ【やさしさが止まらない】⑫
『ユーメッセージ』よりも『アイメッセージ』で話すことによる効果について、さまざまな機会でお話してきました。
しかし、このごろの大学の授業での様子を見ると、そもそも学生たちは『ユーメッセージ』で話しません。
ほとんど全員が初めから『アイメッセージ』で話しているのです。
それも、かなり卑屈な言い方をしています。
どうして大学生は、事例(以前のブログ参照)の場面でも、相手に謝罪を要求せず、妙に物わかりの良い人を演じているのでしょうか。
このことを考えるために、さらに別の 事例 女子大学生からの相談(以前のブログ参照) も紹介しました。
これらを基に、学生たちと意見交換をした結果、以前にお話した思春期の子どもたちの集団であるチャムでの付き合い方も、大学生にな
ってからの付き合い方も『相手にとって耳触りの悪いこと』は言おうとしないという共通点を見つけました。
こうした共通点は、なぜでしょうか?
『相手を傷つけるのでは』という心配もあるでしょうが、それよりも『相手に嫌われて、私自身が傷つく』不安が大きいのではないかと
思えてなりません。。相手を思う優しさではなく、自分が傷つかないための保険である『優しさ』で、相手と接していると考えます。
どうして、ここまで周囲に対して防衛しないと、付き合うことができないのでしょうか。
みなさんは、どのように思われますか?
① 自立した個人どうしの対等な関係が築きにくい
② 自分に自信がないので、周囲の影響を受けやすい
のではないかと、考えています。
①自立した個人同士の対等な関係が築きにくい について、前回までにお話をしました。(以前のブログをご覧ください)
今回から、②自分に自信がないので、周囲の影響を受けやすい について、考えていきます。
このことについて、ある女子大学生がつぎのように話してくれました。
『今日の授業での【チャム】のことは、私自身の体験と重なって感じられた。私の小中の頃も、クラスの中は小さなグループに分かれて
いた。私も、一つのグループに入っていたが、今から考えると、そのリーダーの子をそんなに好きだったわけではない。一人になること
も、そんなに嫌だったわけではない。しかし、周囲から「あの子ボッチだね」と言われるのは、嫌だった。それで、周囲に合わせていた
と思う。グループから抜けて一人になったら、「周囲から何と言われるか」「どう思われるか」と考えると、嫌でもグループにいようと
していたと思う。「私は一人だけど、それが何か?」と言えるくらいだったら‥もっと自分に自信があったら、周囲がどう思うかなん
て、考えなくてもよかったよね』
自分に自信がないので、どうしても周囲からの意見・評価に影響されるというのは、子どもや若者に限らず、私たち大人も身につまされ
ることではないでしょうか。
このことを、もう少し考えてみます。
ハピネスでは、こうした身近な問題をもとに、参加者全員で話し合ったり、ロールプレイでスキルの練習をしたりする会【コミュニケー
ションカフェ】を開いています。
リアルでもOnlineでも開催しています。
詳しくは、このHPのトピックスをご覧ください。