相談ー相手の話の聴き方・話し方④ 未来の教員を目指す学生と関わって番外編
この連載の内容として
第1シリーズでは、発達障害を中心とした【学級・学校に適応することが難しい子どもとの係り】について
第2シリーズでは【学力差がある集団への係り】について
第3シリーズでは【一見仲良さそうに見えるなれあい集団内部への係り】について
第4シリーズでは『教職を目指す学生が考える【理想の教師像】』について考え、教師を目指す彼らが『悩みを抱えている子どもへどの
ように寄り添うか』について、考えました。
今は、シリーズの番外編として、そうした【寄り添い方】について考えています。
まずは、『寄り添い方』の第一歩として、『話の聴き方』から始めていきましょう。
質問①です。
親しいAさんから「ねぇ、私の話をきいて、私の気持ちをわかって」と頼まれた時の『わかって』は、『解って』『分かって』『判っ
』のどれにあたるでしょうか。
①『解って』は
『あなたの悩みは、○○○ということから起きたのだね』と、理由を考えています。
②『判って』は
『あなたの悩みは、それほど大変ではないと思う。時間が解決するわ』と、評価しています。。
③『分かって』は
この場合でしたら、『あなたの悩みを、あなただけではなく、私にも分けて』と、悩みを分かち合おうとしていています。
では、解答です。
この場合は、相談者は「私の悩みをわかって」と言っているのですから、つまり『分かち合う』のですから、『わかって』は『分かっ
て』となるわけです。
納得していただけましたか?
質問②です。
あなたの『相手の話を聴けない人チェック』(ちょっとシビアですが‥)をしてみましょう。
1 自分の心に余裕がないから、相手に関心を向けられない。
2 相手の持つ力や可能性への信頼がないから、指示・アドバイスが多くなる。
3 自分にOKと言えないから、相手にもOKと言えない。
いかがですか?
1について
想像してみてください。
あなた自身が、例えばパートナーとか子ども等についての悩みを抱えているときに、友人や知人が「ねぇ、ちょっと私の悩みの相談にの
ってくれない?」と話しかけてきたら、どうされますか?
もちろん、相手は決して意地悪をしているのではなく、あなたの事情を知らないのですから、しかたないことですね。
そんな時、どうしますか?
もちろん、「これはこれ、それはそれ」と割り切って、相手の相談に乗ってあげられるのならば、それで構いません。
しかし、もし「とても無理」と思われるのでしたら、「ごめんなさい。今、私何だかいっぱいいっぱいで。きっと、何も良いアイデアが
浮かばないと思うけど、聞くだけでいいなら、聞かせて」と言っても、いいのではないでしょうか。
ここで、勘のいい人でしたら「ごめんなさい。勝手に話して。また、今度聞いてね」と言うことでしょう。
そうでない人でしたら、「うん。聞くだけ聞いて」と言うでしょう。そうならば、本当に「聞くだけ聞いてあげれば良い」と考えます。
あなたとしては、誠意ある態度を示したのですから、それで何も問題はありません。
2について
ここでは『受験を控えているのに、ゲームばかりやっている子どもと保護者の関係』を想像してみてください。
受験生なのに、ちっとも勉強しないでゲームばかりやっているわが子を心配しています。
昨日も、「○○時から△△時までは、勉強する。その後はゲームをやってもいい」と約束したばかりです。
しかし、わが子が約束を守って勉強することへの不信感が強いので、「あと20分で勉強時間だよ」とか「今日は何をやるの?」等と、つ
いつい言ってしまいます。
この不信感からのアドバイス・指示に対して、子どもは反発してしまい、またトラブルが発生するわけです。
とても、『話を聴く』というレベルではありません。
3については、次回説明します。
ハピネスでは、こうした身近な問題をもとに、参加者全員で話し合ったり、ロールプレイ
でスキルの練習をしたりする会【コミュニケー
ションカフェ】を開いています。
リアルでもOnlineでも開催しています。
詳しくは、このHPのトピックスをごらんください。