未来の教員を目指す学生と関わって3部⑤
この連載の第1シリーズとして、発達障害を中心とした【学級・学校に適応することが難しい子どもとの係り】について、また第2シリ
ーズとして【学力差がある集団への係り】について、教員を目指す彼らが抱えている不安について考えてきました。
今シリーズでは、【一見仲良さそうに見えるなれあい集団内部への係り】について、考えていきます。
子どもたちは、活発に楽しそうににぎやかに活動しています。
しかし、このグループ内では、外から伺えられない『人間関係のトラブル』が生じていることがよくあります。
今回は、その対応策について考えていきましょう。
一例として、この時期の女子たちは、『チャム』というグループに所属していることが多いですが、『チャムグループ内の人間関係』と
なると、それに関する情報は一切外部へ出てきません。
その理由としては、特定のオピニオンリーダー的な子どもへの、他の子どもたちの執着が強いからではないかと考えます。(チャムと関
係ない男子の場合にも、この傾向はあると考えます)
この『一人の子どもに対する依存関係』を、どのように変えていくか。
それは、『一人の子どもを絶対視して依存する関係』以外の、関係を構築することと考えます。
その目的は、『一人の子どもへの依存度』を、相対的に低くすることです。
具体的に説明します。
例えば、野外学習等において、学級内で小集団をつくります。
その際に、幼い子ほど『好きな子どうしがいい』と言います。
そして、幼い子の担任の先生は、「はばが出たらいけないからね」と他の方法を選択されると思います。
小学校低学年ならば、それで構わないと思いますが、高学年から中学生以上の場合では、きちんと話をされたらどうかなと考えます。
すなわち、『好きな子どうしが、なぜ問題となるのか』ということです。
みなさんは、何が問題と考えられますか?
私は、二つの理由を考えています。
一つ目は、異なる世界へ目を向けさせたいからです。
SNSで、何か一つの与えられた情報をクリックすると、同じような情報がたくさん送られてくること、体験されてませんか?
例えば、「可愛いわんこ」の写真をクリックすると、「可愛いわんこ」の写真が延々と届きますよね。
あれを、どう思われますか?
もちろん便利というとらえ方もあるかと思いますが、私はすこしばかり怖さを感じます。
一つのことに、大げさに言うならば、『洗脳』されていくように感じます。
自分の興味・関心・知見が限定されることに怖さを感じます。
そこで、子どもたちの集団づくりでも、(そもそも興味・関心が似通っていて、仲良しである)好きな子と異なる子どもとふれあうこと
で、異なる世界を見せたいと考えます。
そして、もう一つの理由が、今の内容に関係することです。
ハピネスでは、こうした身近な問題をもとに、参加者全員で話し合ったり、ロールプレイでスキルの練習をしたりする会【コミュニケー
ションカフェ】を開いています。
リアルでもOnlineでも開催しています。
詳しくは、このHPのトピックスをごらんください。