子どもたちは、話したがっている 23 Doing よりも Being

(立春の陽光の中の愛知瞼裂大学 本日が、私の最後の授業でした)
スクールカウンセラーの杉浦です。
12月中旬より、ここでの「お話」をお休みしておりました。
その間にも、読んでくださる方がいらっしゃって‥
とても有難いとともに、申し訳なさでいっぱいです。
本当にごめんなさい。
今回より、再開してまいります。
どうぞ、よろしくお付き合いください。
前回までの内容の復習をします。
こうした保護者の方や先生方の「悩み」にお応えしようと始めました。
『スクールカウンセラーとして勤務していると、保護者や先生から「子どもたちが話さない」という相談をよく受けます。そんな『話さない(と思われている)子どもたち』ですが、実は『自分の気持ちを分かって欲しい』と絶えず思って
います。そのため、子どもたちは『自分の気持ちを分かってくれそうな大人』を絶えず求めています。そんな『気持ちを分かってくれそうな大人』になるための第一歩は、子どもの話をきちんと聴くこと(良い聴き手になる)
ではないかと考えます。しかし、実際に子どもたちに寄り添って話を聴いていると、いろいろな悩みが生じてきます』
第1部 子どもたちが「話さない」理由及び解決の提案について考えました。
第2部 具体的な事例をもとに考えました。
事例1 「うーん、訊き方下手!『大丈夫か?』では、誰も答えないよ」
事例2 「先生、あなたの進路ではなく私の進路です」
事例3 「先生の偏見で、私を見ないでください」
事例4 「先生、私も見て!」
事例5 「約束って‥それ、俺の約束じゃねえし‥」
事例6 「伝えたいのは何?力関係?それとも気持ち?」
第3部 「聴く」ときに心掛けたいことについて<相手との会話で気を付ける具体的な考え方やスキル>
事例1 話に来なくなった、中学1年Aさんの場合
事例2 「私の気持ちをわかって」って?(大人のケースですが、参考事例として取り上げます)
以上について、お話してきました。(ここまでは、以前のブログをご覧ください)
そして(長いお休みの後)、先日こんな体験をしました。
事例3 「場面緘黙」の小学3年生と仲良くなって
小学3年生kAくんは、いわゆる「場面緘黙」です。お母さんの話てせは、家ではいっぱい話すそうですが、学校ではクラスでは、一言も口をききません。お母さんとも担任の先生ともお話して、「では一度はなしてみます」ということになり、相談室へ来てくれました。その日は給食後すぐに帰宅するそうなので、初対面ですが、一緒に給食をとることとなりました。一緒に食べていますが、もちろん彼は何も話しません。よく見ていると、彼の食事はご飯もおかずもとても少ないのです。そこで、「それくらいでいいの?お腹減らない?」と尋ねても、返事はないので、彼が持参したノートに「少なくて、お腹減らない?」と書き、渡したところ「いつもと同じ」と返事を書いてくれました。2,3回そうしたやり取りの後、「ごめんね。質問ばかりしていると、食べれないよね」と言い、彼に食事に専念してもらっていたら、私が眠くなってしまい、おそらく1,2分ウトウトしてしまいました。(もちろん、カウンセラーとしては許されないことです)目が覚めたら、彼が私をじっとみていたので、「ごめんね。ぽかぽかしていたから、ねちゃった。ごめんごめん」と謝り、言わば筆談を続けたところ、ずっと答えてくれました。そして、「お話するのはいやですか?」と尋ねたところ、ちょつと長く考えていましが「先生が」と書いたので、「先生が怖いの?」と尋ねると、即座に首を振り考えてくれていましたが、ちょっと答えが出てこないようでした。そこへ、級友が「帰りの会だよ」と迎えに来てくれたので、「また、今度ね。また、来てくれる?」と尋ねたところ、うなづいてくれたので、ハイタッチをして別れました。
なかなか興味深い体験でした。
そして、『声がなくても、気持ちは通じる』と、聴覚障害のある方のことを考えれば当たり前のことですが、深く納得しました。
彼は、一緒にいたわずかな時間で考えても、行動がゆったりしています。
ですから、一つの返事を書くのにも、結構な時間がかかります。
でも、想いがない訳ではありません。
学校という場では、思いを言語化することに、時間がかかる子なのだろうなぁと考えました。
後日、保護者が「途中で、カウンセラーの先生が寝ちゃったの?」と尋ねたところ、彼はとてもうれしそうににっこりしたそうです。
彼とのファーストコンタクトは、幸いにもよかったようなので、次回も楽しくお話?できたらなぁと考えていますが、ここでも会話の大切なポイントを思い出させてもらいました。
スキル5 Doing よりも Being
すなわち、何かをする・してあげるよりも、一緒に寄り添ってあげることが大切という考えです。
みなさんも、誰かに相談するときに、「相手に悩みを解決してもらおう」と思って相談しますか?
違いますよね。
とにかく私の気持ちを「分かって」ということではないでしょうか?
まずは、相手に寄り添ってみましょう。
こうした身近な問題をもとに、参加者全員で話し合ったり、ロールプレイでスキルの練習をしたりする会【コミュニケーションカフェ】を開いています。
リアルでもOnlineでも開催しています。
詳しくは、このHPのトピックスをご覧ください。

