何ができるだろう④どうしたら、友だちはできるの?②

今回は、人と人との関わりにおいて、おそらく永遠のテーマである『どうしたら、友人ができるだろうか』『友人とどのようにかかわっ

ていけばよいだろうか』等について、考えていきます。

事例1 友人関係を長続きできない女子中学生の場合

Aさんは、中学2年生の女子。学習成績は伸び悩んでいるものの、バスケットボール部に所属し、身長の高さを生かして、試合ではポイ

ントゲッターとして活躍している。

休み時間に廊下を通るときに見かけるAさんは、級友とよく談笑している姿が印象的であり、一見何の悩みもないように思われた。

しかし、相談に訪れたAさんは「私には友人がいません」と言い、泣き始めた。

さぁ、何が問題なのでしょうか。

 

Aさんと話してみて、印象的だったことが二つありました。

まず一つ目は、よく言えば自分の考えをきちんと持っている。

しかし、悪く言えば他の考えを受け入れない、すなわち「こうである」と決めると、他の考えを受け入れにくいという傾向を感じまし

た。

今の言葉で言えば、「こだわりが強い」ということだと思います。

「こだわりが強い」という言葉は、その使われる場面によって、その顔をいかようにも変える言葉と思います。

例えば、テレビのグルメ番組で、「こだわりの強い寿司屋の大将」と言えば、『完璧さを求めて妥協しない、お客に媚びない職人気質』

といった好印象でありませんか?

しかし、想像してみてください。

たまに行く寿司屋の大将ならば、それでもかまいませんが、こうした性格の人と一緒に仕事するとしたらどうでしょうか。

(例 私は詩人の中原中也が大好きですが、もし隣人だったら大変だろうなあと思います。)

今回のAさんは、『友だちは○○であるべき』という、彼女なりの友だち像を強く持っていることが、話してみてよく分かりました。

例えば「友だちならば、学校にいる間は一緒にいるべき」「他の子と話していて、友だちと話さないなんて信じられない」といった、相

手への愛着?いいえ『束縛』が見えてきました。

この状態、すなわち『いつも一緒にいる』を要求されると、相手は辛いのではないでしょうか?

実際、彼女の話を聴いてみると、こうした『束縛』を要求するにつれて、相手が距離を取り始めたようです。

そして、さらに悪いことには、彼女は「友だちなのに、どうして一緒にいないの」と、相手に詰問してしまう‥

その結果、事態はさらに悪化する‥‥

そして、彼女は「どうしてなの?」と落ち込み、「私は友だちができません」と相談に来る。

という一連のストーリーが成立するわけです。

おそらく、今までにも同様なことを繰り返していたのではないかと想像できます。

彼女に話した対処法は、後程お話します。

 

印象的だった、もう一つの点については、次回考えていきましょう。

 

 

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