不登校について考えましょう 26 不登校の子について、私たちは何ができるか
(昨年の大河ドラマ「光る君へ」フリークとして、先日平等院へ行ってきました)
さて、昨年後半から『不登校』について、下記の内容について考えてきました。(詳細は、以前のブログをご覧ください)
【不登校の基礎知識】最新データを文科省が発表!
【不登校の事例①②③④⑤】
事例① 中学生 夏の野外学習でのトラブル
事例② 小学生 ママとおばあちゃんの関係を憂える
事例③ 小学生 同じことができない児童への反感
事例④ 中学生 不登校への困り感がない母子
事例⑤ 小学生 母親が父親の機嫌をとることに疲れている様子を見て、周囲に気を遣う児童
26回という長期にわたって、みなさんと一緒に『不登校』について考えてきました。
11月には、文科省から令和5年度(昨年度)の『不登校』に関するデータが発表されました。
残念ながら、予想通りに増加しています。
現状からは、反転攻勢に変わり減少していくという見通しも立ちません。
そうすると、私たち周囲の大人は漫然と手をこまねいて傍観するしかないのでしょうか。
学校における『不登校』の状況やさまざまなケースについてお話してきましたが、みなさんどんなことを考えられましたか?
「今まで、学校でのいじめ➡不登校と思っていたけど、それだけじゃないのね」「子どもって、私たち大人が思っているよりも、ず
っと深く周囲のことを見ているのね」「私たち大人も、周囲に気を遣って生きているけど、子どもの付き合いも大変なんだ」「今の
子って、私たちの子ども時代よりも、何だか大変そう」‥と、さまざまな感想を持たれたことと思います。
そうなんです。
私たち大人が生きづらいと感じているように、子どもたちも生きづらさを感じているのです。
しかし、学校関係者ばかりでなく子どもたちの周囲にいる大人として、子どもたちがのびのびと生きるために何かしたいです。
漫然と手をこまねいているのではなく、私たちは何ができるでしょうか。
ここで、『不登校』を理解する上で、大切なことがらを再度整理しておきましょう。
【不登校の理由】
①理由は自分自身でもよく分からない
②理由は人それぞれ十人十色
そんな『不登校』の子どもたちは、例えばこんな傾向を示しています。
【不登校の子どもが抱えている問題】
①学校や家の外へ出ることが怖い
②悲観的に考え被害妄想になりやすい
③暴力や自傷行為へのハードルが低い
そこで、私たちは、こんなことに取り組んでみてはどうでしょうか。
【不登校への対応策】(詳細については、上記の事例のブログをご参照ください)
①個別の発達援助
心のエネルギーの回復や、ソーシャルスキルを身に付ける
②学級集団などの学級環境への介入
親和的で良好な学級集団の育成
③親子関係などの家庭環境への介入
保護者への支援を中心として家庭へのサポート
④専門機関との連携
医療機関や適応教室などの関係機関との連携
以上について、今までみなさんとともに考えてきました。
本当に難しい問題と思います。
そらに、「学校へ行くことばかりが目的ではない」というのも、一理あると思います。
そんな学校の存在意義自体が問われている現代において、『不登校』について考えることは、複雑化していると思います。
確かに、「学校は、本当に辛いけれども行かなくてはいけない」とは思いません。
しかし、「学校は行っても行かなくてもどうでもいい」とも思いません。
同年齢近くの子どもたちとの触れ合いは、人の一生において、なにものにも代えがたい貴重な体験と考えます。
ぜひとも、子どもたちが学校などに自分の居場所を見つけて、明るい笑顔で暮らすことを願いたいと思います。
『不登校』についての連載、お付き合いくださりありがとうございました。
次回から、「子どもの気持ち」について考えていく予定です。
また、よろしくお付き合いください。
こうした身近な問題をもとに、参加者全員で話し合ったり、ロールプレイでスキルの練習をしたりする会【コミュニケーションカフ
ェ】を開いています。
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詳しくは、このHPのトピックスをご覧ください。