不登校について考えましょう ⑱ 「ぼくたちは、ちゃんと授業受けているのに、あの子はどうして怒られないの?」

(写真は、北海道富良野から見た日の出の様子です)

今、『不登校』について考えています。

今までに

『不登校』に関する基本的なことがら(1年間に、300000人超えの小中学生が不登校!など) 

「不登校の理由は、100人いれば100とおり」。

でも、大まかに【学校の状況に原因】【家庭環境に原因】【本人の質に原因】が考えられる。 

『本人の気質に原因』に分類された内容

ケース①【中2野外学習のマス掴みで生じたトラブル】を題材として、彼の気質にアプロソーシャルスキルトレーニングの練習

〇『家庭環境に原因』に分類された内容 

ケース②【小4大好きなママとおばあちゃんの気持ちのすれ違いで生じたトラブル】を題材として家庭内での心の居場所の大切さの確認  

 +「話の聴き方」の練習

以上について、みなさんと一緒に考えてきました。(以前のブログをご覧ください)

 

さて、次のケースについて、どう思われますか?

ケース③小5こだわりの強い児童の言動が周囲に受け入れられなくてトラブル発生

Aちゃんは、ものや人の好き嫌いが激しくて、クラスの子どもたちと、よくトラブルを起こしてしまい、そうするとしばらく学校を休みます。ある日、昼の休憩時間に、Aちゃんは運動場で、ちょっと変わった虫を発見しました。もともと虫が大好きなAちゃんは、その場から動かなくなりました。午後の授業が始まるチャイムがなったので、担任の先生がAちゃんの近くへ行き、「教室へ行こう」と何度も誘いますが、なかなかAちゃんは動こうとしません。しぱらく経ってから、やっと教室へ動きました。教室へ行くと、クラスは何とも言えない雰囲気になっていました。担任の先生がいた間は、誰も何も言いませんでしたが、帰りの準備で、先生が不在になったところで、「あーあ、勝手なことができる人はいいなあ」等と、Aちゃんに聞こえよがしに言った子たちがいました。そんなことがあった後、Aちゃんは学校をよく休むようになりました。

この事例は、まさしく学校あるあるです。

みなさん、どのように思われましたか?

 

ケース①の『マス掴み少年』と似ている事例とも言えますよね。

ただ、今回は【学校の状況に原因】という視点で考えてみたいと思います。

①「ものや人の好き嫌いが激しくて、クラスの子どもたちと、よくトラブルを起こし‥」という記述から、Aちゃんがこだわりの強い子であろうことは

測できます。

②「昼の休憩時間に、Aちゃんは運動場で、ちょっと変わった虫を発見」という記述から、どちらかというと、同じ年ごろの子どもたちと遊ぶよりは、

一人で好きなことをすることを好む子であろうとも推測できます。

③「「教室へ行こう」と何度も誘いますが、なかなかAちゃんは動こうとしません」という記述から、好きなことに夢中になると、周囲が見えなくなっ

てしまうということも推測できます。

④「教室へ行くと、クラスは何とも言えない雰囲気になっていました」と言う記述から、Aちゃんが授業に遅れてきたこと、そしてAちゃんばかりでな

く担任の先生に対しても、不満を抱いている子たちがクラスにするということも推測できます。

⑤「「あーあ、勝手なことができる人はいいなあ」等と、Aちゃんに聞こえよがしに言った子たちがいました」という記述から、④と同様に、Aちゃん

に対して不快感をもっている子どもがいることを推測できます。

 

いかがでしょうか。

ここから、学級内でのAちゃんの日ごろの様子、級友との関係性、級友たちのAちゃんへの思いが見えてきたのではないでしょうか?

ここで、私はこんなストーリーを思い描いてみました。

Aちゃんは、自分からクラスの子たちの中に入っていくことが苦手で、本人も一人でいるほうを好む子どもである。そして、Aちゃんのちょっとした不適切な言葉であったり、悪気はないものの、周囲の子どもの気持ちを逆なでするような言動で、ケンカになったりもしている。そんな時は、先生が双方の言い分を聞いて、お互いに「ごめんなさい」と謝罪させてきた。お互いに謝るものの、周囲の子どもたちは「先生はAちゃんをひいきしている」という思いをぬぐえないできている。また、Aちゃんも言葉で上手く言えないものの、周囲の子どもたちに対して親しみをあまり感じていない。そこで、昼の休憩時間には教室や図書室で本を読んでいることが多いが、この日は偶然運動場でぶらぶらしていたところ、虫を発見した。虫好きなAちゃんとしては動く虫の後を追っていったら、大好きな虫を発見した。その時には、休憩時間はあと5分しかなかったが、Aちゃんはそんなこと分かっていないので、チャイムがなっても虫を眺め続けていた。しばらく経ったときに、担任の先生が「教室へ行くよ」と呼びに来たけれども、自分の世界の入り込んでいるAちゃんには全く聞こえていない。それでも、何度も先生が言うので、「教室へいかなきゃ」と思い、先生と教室へ行ったら、クラスの雰囲気が何となく変で、何人かの子はにらんできたし、後で嫌な悪口を言ったきたので、Aちゃんは「このクラスに僕の居場所はない」とを思い、学校へ来れなくなった。

ここに、『Aちゃんの資質』『Aちゃんと級友とのコミュニケーション』『トラブル発生時の教師の双方への対応』等、解決すべき課題

がいろいろあるようです。

それらについて、一つずつ「どうすべきか、どうするとよかったか」について、考えていきましょう。

 

こうした身近な問題をもとに、参加者全員で話し合ったり、ロールプレイでスキの練習をしたりする会【コミュニケーションカフ

ェ】を開いています。

リアルでもOnlineでも開催しています。

詳しくは、このHPのトピックスをご覧ください。