不登校について考えましょう ② 不登校は誰にでも起こりうることなのです

前回から、『不登校』について考えています。(経過・理由等については、前回のブログをご覧ください)

前回の復習です。

Q1 不登校というのは、学校をどれくらい休んでいる子のことを言うのでしょうか?

A1 1年間で30日以上、学校を欠席した児童生徒を称します。

Q2 今、日本全体では、『不登校』の子どもたちはどれくらいいるでしょうか?

A2 2022年の統計で 299,048人です。 (前年に比べて、54,108人の増加)

   

今回も、基礎知識について考えていきましょう。

Q3 『不登校』の子どもたちは、子どもたち全体に対して、どれくらいの割合でしょうか?

A3 2022年の統計で、中学校3.9%、 小学校0.83% です。

いかが思われますか?

仮に、学級の子どもの数が35人として、中学校ならば1.365人、小学校ならば0.29人となります。

この数字だけを見ていると、「35人中、これくらいだったら大したことないね」と思われる方もいらっしゃるかも…ですが、1を超えていると

いうのは、どの学級にも『不登校』の子どもが少なくても、1人は存在しているということです。

これはあくまでも平均ですから、もちろん2人3人…との学級もあるわけです。

小学校にしても、学校規模が大きい場合には、学校全体で数人存在している例も見受けられます。

そう考えると、とても「たいしたことない」とは言えないのでは?と考えます。

Q4 『不登校』って、昔からありましたか? 

いつから社会問題として、取り上げられるようになりましたか?

さらに、どのような状態を『不登校』と定義づけるのですか?

遥か昔、私が新米教師だったころにも、『風邪や腹痛等でないのに学校を休む子ども』はいましたが、それらは概ね『ずる休み』として、家庭内

で叱責され、「明日はちゃんと行くんだよ」と説諭されて、終わっていたかと思います。

ところが、次第にそんなことでは収拾できない事態が発生してきました。

そこで、以下のさまざまな考え方が、話題となってきました。

1960年代  神経症論 母子分離不安等   

その後     学校病理説 

そのころは、『登校拒否』と言われていたことを覚えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

その後、急増して(子どもの数は減っているのに)社会問題化してきました。

しかし、世の中の大勢は『学校へ行かないのは一部の特別な子ども』という考えだったと思います。

しかし、いっこうに減りません。

そうした状況からのニーズに応えて、『学校へ行かない子』『学校へ行けない子』を対象とした、適応教室やフリースクールが全国にできてきま

した。

その現状に対して

1992年 文科省が『不登校は誰にでも起こりうること』と発表しました。

その『不登校』の定義としては

何らかの心理的、情緒的、身体的あるいは社会的要因・背景により、登校しないあるいはしたくともできない状況にあるために

年間30日以上欠席した者のうち、「病気」や「経済的な理由」による者を除いたもの 

 

次回は

Q5 『不登校』の原因は?

について、考えていきます。 

おそらく多くの方が『学校でのいじめ』と思われているのではないでしょうか?

それを否定はしませんが、実態はもっと複雑で多岐にわたっています。

次回も、ぜひご参加ください。

 

 

こうした身近な問題をもとに、参加者全員で話し合ったり、ロールプレイでスキの練習をしたりする会【コミュニケーションカフェ】を開いて

います。

リアルでもOnlineでも開催しています。

詳しくは、このHPのトピックスをご覧ください。