【友だちという呪縛~ボッチ上等~】16 『協調性』と『同調性』って‥

前回は、私主催のセミナーについてご紹介しました。

今回から、また【友だちという呪縛~ボッチ上等~】の連載を続けていきます。

引き続き、ご愛読ご視聴よろしくお願いいたします。

 

現在、私はスクールカウンセラーとして勤務しています。

中学校の教員として、また大学の非常勤講師として、若い世代と長い間関わり合ってきましたが、今目の前にいる子どもたちの抱えている問題は、

決して【子ども】だけの問題ではなく、私たちの社会が抱える問題そのものではないでしょうか。

そこで、『子どもたちの相談』を切り口として、私たちを息苦しくさせている『何か』に迫っていきたいと考えます。

 

「私を助けて」とえることができない子どもたちの背景・環境について考える。

子どもたちの状況1 思春期の発達段階について  (詳細は以前のブログ参照)

① 身体の急激な変化

② 心の急激な変化

③ 他者との関係性の変化

 

子どもたちの状況2 対人関係形成力の低下

私が初任者であった頃は、教員は『先生と生徒A』『先生と生徒B』‥といったように、教師と生徒の関係築いていくことが大切でした。

しかし、今はそればかりではなく、『教師と生徒』の関係づくりの他に、『生徒Aと生徒B』『生徒Bと生徒C』‥といった生徒どうしの関係も築い

ていかなければならないのです。

今から思えば、ヤンキーとの日々は大変でしたが、ある意味、良い時代、牧歌的な時代だったと言えるかもしれません。

では、現在の学校でこうした『生徒どうしの関係』が、なぜ築きにくいのでしょうか。

文科省はその原因として、学習指導要領の改訂で、現代の子どもの対人関係の特徴である

① 狭い閉じた小集団の一員となる

② 小集団の中で、同調的な関係が優先される

の2点を挙げています。

ここで、強調されている『小集団』という言葉が、今の子どもたちを理解するための一つのキーワードではないかと考えます。

(詳しくは、以前のブログをご覧ください)

ここから、以前にもお話した【チャム】という関係性や、よく話題となる【学級内カースト】といった問題が生まれてくると考えます。

さらには、この傾向を助長することとして、私たち日本人の国民性とも言える【同調性】考えられます。

子どもばかりでなく、私たち大人にも身近な【同調性】について考えていきましょう。

 

このことについて、私の授業をうけている大学生の『振り返りシート』(1時間の授業の終了後、疑問等とともに、内容についての自分の考えを記述

して提出する。これも単位取得の大きな要素となります)に、以下の考えが述べられていました。

学生A 『私は昔から空気を読んだり、集団行動をしたりといったことが苦手だったので、中学校のクラスでも、みんながまとまって行動していると 

    きに、別のことをしているというようなことがよくあった。そのせいでクラスメイトから疎まれることは仕方ないと思っていた。以下略』

学生B 『協調性と同調圧力について深く考えさせられた。学校という集団生活をおくる上で、協調性は必要不可欠なものであると思うが、それが

    時には、同調圧力になつてしまうことを知り、とても難しい問題だと思った。私自身、日常生活の中で人と違う言動をする勇気がなく、いつ

    も誰かと行動したり、考えを一緒にしたりしてしまう。』

正反対の意見ですが、これらを読まれて、みなさんはどのように思われましたか?

次回、一緒に考えていきましょう。

 

 

こうした身近な問題をもとに、参加者全員で話し合ったり、ロールプレイでスキの練習をしたりする会【コミュニケーションカフェ】を開いてい

ます。

リアルでもOnlineでも開催しています。

詳しくは、このHPのトピックスをご覧ください。