【話の内容よりも資料の折り目が気になって‥】コミュニケーションが苦手な人との上手な関わり方【発達障害(碍)傾向に目を向けて】⑥
【ASDの概要】(前回より続く)
① 正式名称
② 診断基準
③ 特徴
〇細かなことに囚われ、全体を見られない
以前のセミナーで、それまで積極的にお話されていた方が、急に「資料の端が折れ曲がっている」ことが気になられて、そちらにど
うしても注意がいってしまったーということがありました。
この例も、こうした傾向の表れかと思いますが、このケースでは、ご本人が「いゃあ、どうしても気が散ってしまって」と笑って話
されていました。この方のように、自分自身を客観的に見られたらいいですよね。
〇視覚優位で、耳からの情報が入りづらい
一般的に、人は情報の80%を目から得ていると言います。
その傾向がより強いということでしょうか。
学校でも会社でも、資料配布の際に、そうした傾向を考慮した配慮があると、スムーズに事が運びますよね。
〇同時処理は良いが、継時処理が苦手である
「継時処理」と言うと、どんな作業が思い浮かびますか?
分かりやすい例は、『漢字の書き順』です。
『漢字の書き順』が苦手な子どもの、感じの書き方を観察したことがあります。
書き順はめちゃめちゃでしたが、完成した漢字は、一応漢字として読むことができました。
その子が話してくれたことから推測すると、カメラで写した写真のように把握しているようです。
「最後は一緒だから、いいじゃん」という言い分に納得してしまいそうですが‥
〇相手の立場に立つことが難しい
子どもでも大人でも、こうした傾向がある人にとって、最も苦労するのが、この点ではないかと思います。
大人になるにしたがって、私たちは「正しいことがすべて通るとは限らない」といった類のことを、学んでいくかと思います。
しかし、そうした類になかなか相いれないと感じている人がいます。
例えば、学校で「僕は間違っていない」ということで、相手をたくさんの子どもが見ている前で、非難する子がいます。
話を聴いてみると、確かに非難された子どもに非があるようです。
しかし、沢山の子どもの前で、なかなか自分の非を認めることは難しいかと思います。
そうした相手の気持ちを汲み取ることが、苦手というケースは目にすることが結構あります。
〇タイムスリップ現象がよく起こる
級友たちが、好きなジャニーズの話題で盛り上がっている。「私も大好きだから一緒に話したい」と思い、その輪に加わるのです
が、突然2年前のライブの話を始めてしまうので、他の子たちが付いてこられず、変な雰囲気になっている様子を目にしたことがあり
ます。
本人も周囲も誰も悪くないのですが、「あの子ちょっと‥」となってしまうことは、とても残念です。
いかがでしょうか。
一つ一つはとても些細なことですが、毎日の生活の中で、結構大きな影響を与えることではないでしょうか?
次回は、ADHDについて考えてみましょう。
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