不登校について考えましょう 21 困り感がない不登校には、どうすればいい?

(スクールカウンセラーとして勤務している小学校で、先日作品展がありました。子どもたちの生き生きとした活動を見られました ワクワク)

今まで、『不登校について考えてきました。

【今までに考えてきたことー不登校の基礎知識】

『不登校』に関する基本的なことがら(1年間に、300000人超えの小中学生が不登校!など) 

「不登校の理由は、100人いれば100とおり」。

でも、大まかに【学校の状況に原因】【家庭環境に原因】【本人の質に原因】が考えられる。 

【今までに考えてきたことー不登校の事例①②③】

事例① 中学生 夏の野外学習でのトラブル

 学校を休みがちだった生徒が、担任や級友の後押しで、何とか野外学習に参加し、生徒自身も充実した生活を過ごしていた。

しかし、最終日の『マス掴み』の際に、元来コミュニケーション下手であるため、周囲への言葉かけからトラブル発生し、急遽帰宅

することに‥

    この事例で考えたこと  発達障害の特性

            コミュニケーションの取り方

            緊急避難

            ソーシャルスキルトレーニング

事例② 小学生 ママとおばあちゃんの関係を憂える

おばあちゃんと児童、おばあちゃんとママとの間での会話の些細な言葉に敏感に反応して、「ママとおばあちゃんがケンカすると

いけない」と心配し、学校へ行けなくなった(家を留守にできない‥)

           この事例で考えたこと    周囲への気遣い ➡ アドラーの考え方

                                      こころの居場所

事例③ 小学生 同じことができない児童への反感

大好きな虫に集中してしまい、午後の授業へ戻れない児童と付き添った担任に対して、他の児童たちが見せる反感や、心無い言動

の結果、登校できなくなってしまった‥

    この事例で考えたこと  インクルーシブ教育

                                     該当児童ばかりでなく、全員を大切にする

以上の事例について、考えてきました。

そして、今回は少し雰囲気が異なる事例について考えていきます。

事例④ 中学生 不登校への困り感がない母子

中学1年のAちゃんは、父親の転勤で両親・高校生の姉とともに東京から引っ越してきました。転校先の中学に登校していましたが、2か月ほど経ったところで、休みがちとなり、半年経った今では完全に登校しなくなりました。担任の先生は「転校生へのいじめがあったのでは?」と思い、(Aちゃんは自分から話すタイプではないのですが)同じ班の子や時々話していた子、同じ官舎に住んでいる子たちにいろいろ尋ねてみました。また、家庭訪問をして、Aちゃんと話してみましたが、いじめのような話題はAちゃんからもお母さんからも出てきませんでした。本人はむしろ、学校へ行けないということで焦ったり、落ち込んだりすることもなく、無理に明るくしているわけでもなく、お母さんも自然体で「学校へ行ってほしいのですが」と言いながらも、親子で買い物やライブに仲良く行っていることを話してくれました。いろいろ話していると、お母さんが「私の友達は東京の人ばかりで、なかなか近くにできなくて、さびしいですね。お姉ちゃんは家族の中でさっさとお友達をつくって、遊びに出かけたりしてますが。妹はおねえちゃと待ち合わせてドームのライブへ行きましたし、家族みんなでは出かけるのてすが…」といった近況を話してくれました。

いかがでしょうか?

みなさん、どのように思われたでしょうか。

次回、このケースについて考えていきましょう。

 

こうした身近な問題をもとに、参加者全員で話し合ったり、ロールプレイでスキの練習をしたりする会【コミュニケーションカフ

ェ】を開いています。

リアルでもOnlineでも開催しています。

10月11月の例会では、ちょうど『不登校』について考えています。

詳しくは、このHPのトピックスをご覧ください。