【発達障害から二次障害をつくらない】コミュニケーションが苦手な人との上手な関わり方【発達障害(碍)傾向に目を向けて】
どのように関わっていくか①(以前のブログをご覧ください)
どのように関わっていくか②(以前のブログをご覧ください)
どのように関わっていくか③
目指したいことは、障害(碍)から『二次障害』を生じさせないです。
以前に少しお話したかと思いますが、このことを考えるきっかけになったのは、ある中学生のお母さんの相談にのったからです。
私は、その子が中学2年生の時から相談にのることになりました。
その子は、確かに落ち着きがなく、学級内で級友と多少のトラブルをときどき起こしていましたが、学校全体がなかなか厳しい生活環境
の子どもたちが多い地域にあったので、他にも問題がしばしば起こり、その子だけがトラブルメーカーということもなく、「ちょっと手
がかかる子」くらいの認識を持たれている先生が多かったと思います。
そのお母さんとの初めての相談のときに(以前に相談に乗っていたSCが転任したので、後任の私が引き受けることとなりました)、それ
までのいきさつをいろいろ伺ったところ、お母さんは「今はまだ楽です」と言われたので、驚きました。
そこで、その理由を尋ねると、「小学生の頃はこんなものではなかった。もっともっと落ち着きがなく、周囲のお子さんに迷惑をかける
ので、そのたびに学校から電話が来て‥。うちの子は完全に『問題のある子』と思われていました。確かに、うちの子が悪いのですが」
と、話されました。
例えば、授業中にイライラしてくる ➡ 我慢しきれなくなって、席を立つ ➡ 先生が「席に戻りなさい」と言う ➡ その場は戻る
➡ しばらく経つと、再び席を立つ ➡ 「どうして、他の子のようにきちんと席についていられないのか」と叱られる ➡ 席に戻る
➡ また、しばらく経つと席を立つ ➡ 「どうしてきちんとできないのか」と叱られる ➡ 授業が終了する ➡ 休憩時間になって
も、叱られ続ける ➡ ますますイライラする
といった悪循環を繰り返していたようです。
おそらく、先生は「注意をきかない、どうしようもない子」と思われていたと推測できます。
しかし、その子にしてみれば「自分はもやもやして、どうしようもなくなってしまう。みんなは自分のような気持ちになっていないか
ら、じっとしているんだ。だから、自分だけが動くんだ」と、思っていたようです。(中学生になってから、そま頃の気持ちを思い出し
て、説明してくれました)
先生は、この子を何とかしたいと思っていました。
この子も、先生のことを決して悪い人とは思っていませんでした。
しかし、残念なことにミスマッチが起こっていました。
その子は『発達障害傾向のある子』でしたが、そればかりか『問題行動をする子』として、周囲から認識されるようになってしまいまし
た。
この不幸なミスマッチをどうしたか。
次回、この続きをお話します。
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