【子どもの心 若者の心 そして‥】22 ポジティブな未来を語る支援者になりませんか?

このシリーズでは、「相手との関係性が深まると、何でも言える関係になる」といった思い込み(と思います)を発端として、若者や子どもた

の心の様について、考えています。(詳細については、以前のブログをご覧ください)

そんな折、SNSで『褒められたくない若者たち』という記事を目にしました。

今の若者は、『褒められたくない、目立ちたくない、埋もれていたい』との考えです。

実際、大学生と講義を通して関わる中で、こうした思い・感情を感じることがあります。

そこで、『当たり障りのないように生きる』具体的な姿について

    『教育の何が、子どもたち若者たちに、こうしたことを教えてきたか』について

            『教育が取り組む(一人を大切にする)個性と(集団を大切にする)強調性の兼ね合いの難しさ』について

      ①学級の温かな雰囲気づくり

       ②一人一人の個性の伸長

以上のように、考えを進めてきました。

みなさん、どのように思われましたか?

 

考えていただく一つの契機として、③の内容の主人公であった少年の現在の様ついてお話します。

一昨年はトラブルが多く、私に不満を訴えていたものの、昨年は楽しそうに学校生活を送っていた彼です。

実は今、あまり良い感じではありません。

昨年の担任の先生は、彼ばかりでなくクラスの児童全員への声掛けがとても上手でした。

そして、その声掛けによって、彼を含めクラスのみんなに「私は学級にとって大切な人」という思いが育っていたと思います。

一方、今年の担任の先生は、決して意地悪とか冷たいというのではありません。

算数の指導の方法など、とても理にかなっていて「算数が好き」という子どもたちも多く見られます。

ただ、あまりにも効率を優先されているようで、その先生のリズム?流れに乗っている子どもたちにとっては、「おもしろい先生」「テキパキし

ている先生」として好かれていますし、保護者からも「教え方が上手」「活発で分かりやすい」と評判が良いですが、主人公の少年のような「そ

の波」に乗れない子どもにとっては、「置いていかれてる」感があるようです。

しかも、一見『明るく楽しく盛り上がるクラス』なので、担任の先生には『困り感』がおそらくないと思います。

そこで、彼との相談をどのように切り出すかを、スクールカウンセラーである私としては、悩むところなのです。

(「スクールカウンセラーだから、人の気持ちがよく分かって、話の持っていき方がきっと上手よね」と言われる方がいらっしゃいますが、「と

んでもありません」が正直な思いです。)

そして、現在日本の小学校には、こうした『一見仲良さそうだけど‥』という学級が多いように感じています。

このことについては、また改めて考えていきたいと思います。

 

このところ、大学の授業での『関係性が深いからといって、何でも言えるわけではない?』という疑問から始まり、『褒められたくな

い・埋もれていたい若者たち』について考え、『教育がそうした若者をそだててきたのか』と、考えをすすめてきました。

【Aだから必ずBになる】というほどの強い関係性があるかは分かりません。

しかし、日頃接している子どもや若者たちからは、お話してきたような傾向がうかがわれ、それは彼らなりの警告信号ではないかと考えていま

す。

 

ぜひ、目の前の子どもや若者にポジティブな未来を見せる大人でいたいものです。

ここまで、ご参加くださりありがとうございました。

 

次回から、また別のテーマで続けていきます。

よろしくお願いいたします。

 

 

こうした身近な問題をもとに、参加者全員で話し合ったり、ロールプレイでスキの練習をしたりする会【コミュニケーションカフェ】を開いて

います。

リアルでもOnlineでも開催しています。

詳しくは、このHPのトピックスをご覧ください。