【友だちという呪縛~ボッチ上等~】19 『なんか変だなアイメッセージ』
2週間以上のお休み、申し訳ありませんでした。
また、みなさんと一緒にいろいろ考えたり、お話していきたいと思います。
よろしくお付き合いください。
現在、私はスクールカウンセラーとして勤務しています。
中学校の教員として、また大学の非常勤講師として、若い世代と長い間関わり合ってきましたが、今目の前にいる子どもたちの抱えている問題は、
決して【子ども】だけの問題ではなく、私たちの社会が抱える問題そのものではないでしょうか。
そこで、『子どもたちの相談』を切り口として、私たちを息苦しくさせている『何か』に迫っていきたいと考えます。
「私を助けて」と訴えることができない子どもたちの背景・環境について考える。
子どもたちの状況1 思春期の発達段階について (詳細は以前のブログ参照)
① 身体の急激な変化
② 心の急激な変化
③ 他者との関係性の変化
子どもたちの状況2 対人関係形成力の低下
① 狭い閉じた小集団の一員となる
② 小集団の中で、同調的な関係が優先される
『アイメッセージ』という、コミュニケーションについて学ぶ場で、よく使われる手法をご存じでしょうか?
『アイメッセージ』は、相手との関係づくり・コミュニケーションにおいて、とても価値あるスキルではないかと思います。
(詳しくは、以前のブログをご参照ください)
しかし、現在若者たちと話していて、気になることがあります。
それは、過度な『アイメッセージ』です。(私はこれを『なんか変だなアイメッセージ』と名付けています)
いいえ、『アイメッセージ』とは似て非なるものではないかと考えさせられる会話があります。
例えば‥
連絡なく遅刻してきた相手に対して、あなたはどのような言葉かけをしますか?
❶ 「いい加減にして!あなたが遅れてきたから、後ろに並んでいた人たちに抜かされてしまたわ。連絡ぐらいしてくれてもいいんじゃない?」
❷ 「よかった。連絡もなかったから、何かあったの?と心配していたよ。さぁ、おいしいもの食べにいこう!」
❸ 「いいの。いいのよ。待つなんて大したことじゃないから。心配しなくていいよ。全然気にしていないよ」
さぁ、あなたはどのタイプでしょうか?
❶は以前にもお話した『ユーメッセージ』と言われるものです。
すなわち、「あなたは遅れてきた」「あなたは連絡しなかった」というように、【あなた=YOU】が主語となっています。
このようにズバッと言われると、「確かに私が悪いんだけど、そこまで言わなくても‥」という気持が生じてきませんか?
もしかして、「私が悪かった」という反省よりも、「あの人ってひどい」という気持の方が、上回ってないでしまうのではしょうか?
❷これが、いわゆる『アイメッセージ』です。
つまり「私は心配したわ。でも、私は今ホッとしている」というように、【わたし=I】が主語となっています。
こう言われると、どうでしょうか。
「私が遅れたことがいけないのに‥こんなふうに思ってくれて、本当にごめんなさい」と、ますます「すまない」という気持が高まるのではない
でしょうか?
❸これこそが、今回お話したい『なんか変だなアイメッセージ』です。
どうですか?
なぜ、これほどへりくだる必要があるのでしょうか。
対人関係で、よく「上から目線」はよくないと言い、「フラットな目線」が良いと言いますが、これはいわば「下から目線」ですよね。
このようにお話すると、みなさんは「そんな‥」と笑われるかもしれませんが、大学で学生さんたちの会話からよく聞こえてきます。
また、講義後に「いつも遅れてくる友人に、今後の就活もあるから、『時間守った方がいいと思う』と言ったら、周りにいた人たちから「キツイ
こと言うね」と、まるで私が空気読まない人みたいに言われて‥私はどうすればよかったのですか?」という悩みの相談がありました。
そんなふうに言われるとしたら、みんな『なんか変だなアイメッセージ』になってしまうのかもしれません。
みなさん、いかが思われますか?
こうした身近な問題をもとに、参加者全員で話し合ったり、ロールプレイでスキルの練習をしたりする会【コミュニケーションカフェ】を開いてい
ます。
リアルでもOnlineでも開催しています。
詳しくは、このHPのトピックスをご覧ください。