【ソーシャルスキル】コミュニケーションが苦手な人との上手な関わり方【不登校に目を向けて】⑱
今月は、【不登校】について、みなさんと一緒に考えています。
プロローグ
【不登校】についての知識の一例(以下、今回までの内容については、過去のブログをご覧ください)
本論
1 不登校の考え方の変遷
2 文科省による不登校の定義
3 不登校児童生徒数の推移
4 【不登校】の理由
① 学校生活に起因
② 家庭生活に起因
③ 本人の気質に起因
5 学校生活に起因の具体的なケースについて
①被害者のケア
②加害者の指導
③観衆の指導
④傍観者の指導
6 家庭生活に起因の具体的なケースについて
事例① 嫁姑のちょっとした考えの相違から不登校?
事例② 『韓流』は【不登校】に効く?
7 本人の気質に起因の具体的なケースについて
事例① ASD(自閉症スペクトラム)傾向のAくんのケース
前回までに、このケースから、周囲(とりわけ、担任など学校の先生方)が、考えるべき問題点について、お話しました。
もう一つの視点は、Aくん自身の特質について目を向けてみましょう。
このブログでも、以前のシリーズで『発達障害』について、ご紹介したので記憶に新しい方もいらっしゃるかと思います。
『発達障害』とは『社会性・コミュニケーション・想像力の弱さに支障がある』と、定義づけされています。
Aくんの場合を考えると、「目の前の虫のことだけに囚われてしまい、今自分がどのような行動をすべきか」という考えが見当たりません。
また、「そうした行動をすることで、周囲がどのように考えるか」という気づきもないかと思います。
そのため、周囲とのさまざまな摩擦や軋轢が生じて、Aくんは学校という組織の中で、【生きづらさ】を感じていることでしょう。(その原因や理由
に、彼が気が付いているかは分かりませんが‥)
その結果、学校に足が向かなくなり、不登校になるという可能性は高いと考えます。
前回、教師には『個と全体』が見る目が必要であるとお話しました。
学級全体への指導とともに、彼のような子どもへの配慮は不可欠と考えます。
7 発達段階で配慮すべきポイント
そこで、それぞれの発達段階での配慮すべきポイントについて、考えてみます。
【小学校】の段階で必要なこと
学級ルールやソーシャルスキルなど、教えるべきことを定め、「うらいね」「よくできたね」等の言葉をかける。
そうした対応を繰り返す。
今、スクールカウンセラーとして小学校に勤務していて、先生方の対応には頭が下がります。
『自分のことしか見えていない』子どもたちに、「やっていいことと良くないこと」を教え、「周囲を見る目」を育てるということは、やりがいがあ
る仕事ですが、それだけに大変な仕事です。
また、一括りに『小学校』と言っても、1年生と6年生では、その外見ばかりでなく、その心情も大変異なります。
例えば、廊下に落ちていたゴミを拾った1年生の子どもに対して、先生が「いい子だね」と頭を撫でながら褒められたら、その子は「褒めてもらえて
うれしい」と感じ、「またよいことをして褒められよう」と思うのではないでしょうか。
しかし、6年生が同様にゴミを拾って、先生が「いい子だね」等としようものなら、「なめてるんか」と思う子どももいるのではないでしょうか。
一事が万事、その発達段階に合った対応が必要となってきます。
では、中学校ではどうでしょうか。
次回までに、みなさんも考えてみてください。
こうした身近な問題をもとに、参加者全員で話し合ったり、ロールプレイでスキルの練習をしたりする会【コミュニケーションカフェ】を開いていま
す。
リアルでもOnlineでも開催しています。
詳しくは、このHPのトピックスをご覧ください。