【学校復帰は、居場所づくりから】コミュニケーションが苦手な人との上手な関わり方【不登校に目を向けて】26
今月は、【不登校】について、みなさんと一緒に考えています。
プロローグ
【不登校】についての知識の一例(以下、今回までの内容については、過去のブログをご覧ください)
本論
1 不登校の考え方の変遷
2 文科省による不登校の定義
3 不登校児童生徒数の推移
4 【不登校】の理由
① 学校生活に起因
② 家庭生活に起因
③ 本人の気質に起因
5 学校生活に起因の具体的なケースについて
①被害者のケア
②加害者の指導
③観衆の指導
④傍観者の指導
6 家庭生活に起因の具体的なケースについて
事例① 嫁姑のちょっとした考えの相違から不登校?
事例② 『韓流』は【不登校】に効く?
7 本人の気質に起因の具体的なケースについて
事例① ASD(自閉症スペクトラム)傾向のAくんのケース
8 発達段階で配慮すべきポイント
【小学校】の段階で必要なこと
【中学校】の段階で必要なこと
【思春期の特徴のおさらい】
9 不登校が児童生徒に及ぼす影響
① 学習の遅れ
② 社会的自立の基礎を身に付けにくい
10 不登校への対応策
①個別の発達援助
ここで、周囲の大人としてまず大切にしたいことは『不登校子どもたちの心的エネルギーの回復』です。
話の理由や評価をするのではなく、彼等の気持ちを分かち合いましょう。
そうすることで、彼等の中に「父さんや母さんは、私のことを大切に思ってくれている」といった気持ちが芽生えてきたら、そこから子どもたちと保
護者の関係が育ち始めるのです。
そんなことを繰り返しながら、子どもたちの『心のエネルギー』を充填してください。
(以上の詳細については、今までのブログをご覧ください)
②学級集団などの学校環境への介入
子どもたちの一日の生活時間の内容を見てみると、その多くが学校で過ごす時間となります。
例えば、部活動をやっている中学2年生とすると、 8:15 登校
8:50 1時間目開始
12:40 昼食
15:20 6時間目終了
15:50 部活動開始
18:00 部活動終了 下校
といった状況が一般的かなと思います。
すると、差し引き学校内に滞在している時間は、9時間45分すなわち約10時間ともなります。
一日24時間の内の10時間です。
さらに、登下校の時間や、家庭内にいても寝ている時間(仮に8時間として)等を差し引く(塾の時間もありますね)と、家庭内で家族過ごす時は、
4,5時間となりますが、さらに一人で自室でSNSを見ていたりすると、家族と過ごす時間はどんどん少なくなっていきます。
それに対して、学校で過ごす時間の10時間は、圧倒的に大きな存在ではないでしょうか。
そう考えると、(以前、思春期の特徴で説明しましたが)学校内での生活の影響の大きさには、納得していただけるかと思います。
ですから、学校での人間関係が子どもたちの人格形成に大きなものとなることは、言わば当たり前とも言えるでしょう。
現在、多くの学校で、子どもたち一人一人の様子や、学級全体の特徴をつかむために、さまざまな質問紙(アンケート)が使われています。
そのうちの一つによると、学級の状態を『親和型』『管理型』『なれ合い型』『不安定型』の4種類に分けています。
『親和型』とは、生徒たちが自分の学級に対して【安心・安全】な気持ちを持ち、その一方【認められている】とも感じていることです。
言わば、自分の学級を自分の居場所と感じているとも言えますよね。
長時間過ごす場所です。
ぜひ、子どもたちが自分の【居場所】と思える学級になってほしいものです。
そうした学級ならば、【不登校】の子どもが、たまに登校した時にも、温かな雰囲気で学級の子どもたちが受け止めてくれて、『学校復帰』のハード
ルが低くなるのではないでしょうか。
【不登校】の子どもの学校復帰を促す手段はさまざまあるかと思いますが、級友からの働きかけは、とても大きな力になると考えます。
では、どのように?
次回、考えていきましょう。
こうした身近な問題をもとに、参加者全員で話し合ったり、ロールプレイでスキルの練習をしたりする会【コミュニケーションカフェ】を開いていま
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リアルでもOnlineでも開催しています。
詳しくは、このHPのトピックスをご覧ください。